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あい‐かわらず〔あひかはらず〕【相変(わ)らず】例文一覧 18件

  1. ・・・ 裁判官のペップは相変わらず、新しい巻煙草に火をつけながら、資本家のゲエルに返事をしていました。すると僕らを驚かせたのは音楽家のクラバックのおお声です。クラバックは詩稿を握ったまま、だれにともなしに呼びかけました。「しめた! すばら・・・<芥川竜之介「河童」青空文庫>
  2. ・・・ 省作は相変わらず笑って、右とも左とも言わない。満蔵はお祖母さんが餅に賛成だという。姉はお祖母さんは稲を刈らない人だから、裁決の数にゃ入れられないという。各受け持ちの仕事は少しも手をゆるめないで働きながらの話に笑い興じて、にぎやかなうち・・・<伊藤左千夫「隣の嫁」青空文庫>
  3. ・・・妻は相変わらず亡き人の足のあたりへ顔を添えてうつぶしている。そうしてまたしばしば起きてはわが子の顔を見まもるのであった。お通夜の人々は自分の仕振りに困じ果ててか、慰めの言葉もいわず、いささか離れた話を話し合うてる。夜は二時となり、三時となり・・・<伊藤左千夫「奈々子」青空文庫>
  4. ・・・その人影に私の口笛は何の効果もなかったのです。相変わらず、進んだり、退いたり、立ち留ったり、の動作を続けているのです。近寄ってゆく私の足音にも気がつかないようでした。ふと私はビクッとしました。あの人は影を踏んでいる。もし落し物なら影を背にし・・・<梶井基次郎「Kの昇天」青空文庫>
  5. ・・・』『この二、三日見えないようであったね。』『相変わらず忙しいもんですから。』『マアお上がんなさいな、今日はどちらへ。』お神さんは幸吉の衣装に目をつけて言った。『神田の叔父の処へちょっと行って来ました、先生今晩お宅でしょうか。・・・<国木田独歩「郊外」青空文庫>
  6. ・・・また中には酔ってしゃべりくたぶれて舷側にもたれながらうつらうつらと眠っている者もある。相変わらず元気のいいのが今井の叔父さんで、『君の鉄砲なら一つで外れたらすぐ後の一つで打つことができるが僕のはそう行かないから困る、なアに、中るやつなら一発・・・<国木田独歩「鹿狩り」青空文庫>
  7. ・・・と、腰をおろしながら、「相変わらずで面目次第もないわけです。」とごま白の乱髪に骨太の指を熊手形にさしこんで手荒くかいた。 石井翁は綿服ながら小ザッパリした衣装に引きかえて、この老人河田翁は柳原仕込みの荒いスコッチの古洋服を着て、パク・・・<国木田独歩「二老人」青空文庫>
  8. ・・・ 子供の好きなお初は相変わらず近所の家から金之助さんを抱いて来た。頑是ない子供は、以前にもまさる可愛げな表情を見せて、袖子の肩にすがったり、その後を追ったりした。「ちゃあちゃん。」 親しげに呼ぶ金之助さんの声に変わりはなかった。・・・<島崎藤村「伸び支度」青空文庫>
  9. ・・・次郎も兄の農家を助けながら描いたという幾枚かの習作の油絵を提げて出て来たが、元気も相変わらずだ。亡くなった本郷の甥とは同い年齢にも当たるし、それに幼い時分の遊び友だちでもあったので、その告別式には次郎が出かけて行くことになった。「若くて・・・<島崎藤村「分配」青空文庫>
  10. ・・・玉のほうは相変わらずきわめて冷淡な伯父さんで、めんどうくさがってすぐにどこかへ逃げて行ってしまった。 四匹の子猫に対する四人の子供の感情にもやはりいろいろの差別があった。これはどうする事もできない自然の理法であろう。愛憎はよくないと言っ・・・<寺田寅彦「子猫」青空文庫>
  11. ・・・そうして目的地に着いて見ると、すぐ前に止まっている第一電車は相変わらず満員で、その中から人と人とを押し分けて、泥田を泳ぐようにしてやっと下車する人たちとほとんど同時に街上の土を踏むような事も珍しくはない。 私はいつもこうした混雑の週期的・・・<寺田寅彦「電車の混雑について」青空文庫>
  12. ・・・ 西片町にしばらくいて、それから早稲田南町へ移られても自分は相変わらず頻繁に先生を訪問した。木曜日が面会日ときまってからも、何かと理屈をつけては他の週日にもおしかけて行ってお邪魔をした。 自分の洋行の留守中に先生は修善寺であの大患に・・・<寺田寅彦「夏目漱石先生の追憶」青空文庫>
  13. ・・・そうして相変わらず短いしっぽで、無器用なコンダクターのようにいろいろな∞の字を描いていた。 名前はちびにしようという説があったが、そういう家畜の名はあるデリカシーからさけたほうがいいという説があってそれはやめになった。いいかげんにたまと・・・<寺田寅彦「ねずみと猫」青空文庫>
  14. ・・・そのたびにいつでも店員の中のあるものが一種の疑いの目をもって自分を注目しているような気がしたり、あるいは自分の美術に対する嗜好に同情をもっていないらしいある人たちのだれかが、不意に自分の肩をたたいて「相変わらずやってるね」とあびせかけられは・・・<寺田寅彦「丸善と三越」青空文庫>
  15. ・・・ もうよほど年はとっていましたが、やはり非常な元気で、こんどは毛の長いうさぎを千匹以上飼ったり、赤い甘藍ばかり畑に作ったり、相変わらずの山師はやっていましたが、暮らしはずうっといいようでした。 ネリには、かわいらしい男の子が生まれま・・・<宮沢賢治「グスコーブドリの伝記」青空文庫>
  16. ・・・ しかしこれから生い立ってゆく子供の元気は盛んなもので、ただおばあ様のおみやげが乏しくなったばかりでなく、おっか様のふきげんになったのにも、ほどなく慣れて、格別しおれた様子もなく、相変わらず小さい争闘と小さい和睦との刻々に交代する、にぎ・・・<森鴎外「最後の一句」青空文庫>
  17. ・・・こうして相変わらずお上の物を食べていて見ますれば、この二百文はわたくしが使わずに持っていることができます。お足を自分の物にして持っているということは、わたくしにとっては、これが始めでございます。島へ行ってみますまでは、どんな仕事ができるかわ・・・<森鴎外「高瀬舟」青空文庫>
  18. ・・・ 寧国寺さんは羊羹を食べて茶を喫みながら、相変わらず微笑している。       五 富田は目を据えて主人を見た。「またお講釈だ。ちょいと話をしている間にでも、おや、また教えられたなと思う。あれが苦痛だね。」一寸顔を蹙・・・<森鴎外「独身」青空文庫>