ひにくの-たん【髀肉之嘆】
実力・
手腕を
発揮する
機会に恵まれないのを嘆くこと。むなしく日々を過ごすことの嘆きをいう。▽「
髀肉」はももの肉、「嘆」はため息をついて嘆く意。「髀」は「脾」、「嘆」は「歎」とも書く。
- 出典
- 『蜀志しょくし』先主伝せんしゅでん注
- 句例
- 髀肉の嘆を抱く
- 用例
- その歌の心には、髀肉の嘆をもらしながら、捲土重来けんどちょうらいの機会のくるのを待っていた、生口の島の平家の残党のそれに、いくらか通じるものがあるのではなかろうか。<花田清輝・小説平家>
- 故事
- 中国三国時代、蜀しょくの劉備りゅうびが戦いで力を発揮する機会になかなか恵まれず、いつも馬上で戦ってきたのに馬に乗れないため、ももの内側にぜい肉がついてしまったといって嘆いたという故事から。