立てる（たてる） とは？ 意味・読み方・使い方

１ ある場所にものを縦にして位置させる。

1. ㋐起き立った状態にする。「書棚に本を—・てる」

2. ㋑長いものを直立させて据える。「煙突を—・てる」「屏風 (びょうぶ) を—・てる」

3. ㋒とがったものを刺し込む。「猫がつめを—・てる」

4. ㋓突き上がった形のものをつくる。「けばを—・てる」「角を—・てる」

２ 座ったり横になったりしているものを起こす。「片ひざを—・てる」「襟を—・てる」

３ ある現象や作用を目立たせたり生じさせたりする。

1. ㋐煙や蒸気などを立ちのぼらせる。「湯気を—・てる」

2. ㋑風・波などを起こす。「白波を—・てて走る」

４ 人を差し向ける。出発させる。「使いを—・てる」

５ 表明した決意で身を律する。「誓いを—・てる」「願を—・てる」

６ （「閉てる」とも書く）戸や障子をしめる。「ぴったり襖 (ふすま) を—・てる」

７

1. ㋐ある立場や状況に置く。「間に人を—・てて交渉する」

2. ㋑重要な役目・地位につかせる。「証人に—・てる」「候補に—・てる」

3. ㋒高位につかせる。「后に—・てる」

８ 度合いを強めて、明らかにする。

1. ㋐はっきり耳目に認められるようにする。「足音を—・てる」

2. ㋑世に知れ渡らせる。「浮き名を—・てる」

９ 事物や状態を新たにつくり仕立てる。

1. ㋐物事を新たにつくり示す。「新記録を—・てる」「学説を—・てる」

2. ㋑目標などを考え定める。「見通しを—・てる」「対策を—・てる」

3. ㋒縦目の線をつくり示す。「髪に櫛目を—・てる」

10

1. ㋐盛んに気泡を生じさせる。「泡を—・てる」

2. ㋑湯などを沸かす。「風呂を—・てる」

3. ㋒（「点てる」とも書く）抹茶に湯を注いでまぜ合わせる。「お薄を—・てる」

11 感情を高ぶらせる。「腹を—・てる」

12 注意を向ける。「聞き耳を—・てる」

13 物事を好ましい形で成り立たせたり維持させたりする。

1. ㋐目的にかなって使用価値のあるものとする。「役に—・てる」

2. ㋑損なわずに保つ。「顔を—・てる」「暮らしを—・てる」

3. ㋒世間に認められた存在とする。「文学で身を—・てる」

4. ㋓すぐれたものとして尊重する。「年長者を—・てる」

5. ㋔矛盾なく認められるようにする。道理・順序を正しくする。「筋道を—・てて話す」

14 （「経てる」とも書く）時を経過させる。月日を過ごす。

1. 「愛妻 (つま) のことを思い悩んでわびしい月日を—・てて来た」〈近松秋江・青草〉

15 進行をとめて、そのままの状態におく。

1. 「もとの位置に馬車を—・てて待っていた」〈大仏・地霊〉

16 鳥などを飛び立たせる。

1. 「朝狩 (あさがり) に五百 (いほ) つ鳥—・て夕狩に千鳥踏み—・て」〈万・四〇一一〉

17 動詞の連用形に付いて、物事を盛んに行う意を表す。「書き—・てる」「騒ぎ—・てる」