1. ある物事をなしとげる力。はたらき。能力。「人を動かす—にたける」

  1. ききめ。効能。「薬の—書き」

  1. 技能。また、誇ったり取り立てていったりするのにふさわしい事柄。「机に向かうだけが—ではない」

  1. 日本の古典芸能の一。中世猿楽から発展した歌舞劇。能は歌舞劇の一般名称で、田楽延年などの能もあったが、猿楽の能がもっぱら盛行したため、それを単に能と称した。室町時代に観阿弥世阿弥父子大成、江戸中期にほぼ現在様式となった。役に扮する立方 (たちかた) と声楽をうたう地謡方 (じうたいかた) 、器楽を奏する囃子方 (はやしかた) があり、立方シテ方ワキ方狂言方、地謡方はシテ方、囃子方は笛方・小鼓方・大鼓方・太鼓方がつとめる。現在、その流派はシテ方に五流、ワキ方に三流、狂言方に二流、囃子方に一四流がある。能の詞章謡曲といい、ふつう脇能物・修羅 (しゅら) 物鬘 (かずら) 物・雑物・切能 (きりのう) 物の五つに分類し、現在約240曲が上演可能である。

[補説]書名別項。→

英文学者・能楽研究家の野上豊一郎による評論副題は「研究発見」。昭和5年(1930)刊。

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2023年11月