もち・いる〔もちゐる〕【用いる】

の解説

［動ア上一］［文］［ワ上一］《「持ち率 (い) る」の意》

1. １ 用にあてて使う。使用する。「調味料に—・いる」「新しい方法を—・いる」

1. ２ よいとして取り上げる。採用する。「人の意見を—・いない」

1. ３ 見込んで職に就かせる。任用する。「人材を選んで—・いる」

1. ４ 心を十分働かせる。心を労する。「供応に意を—・いる」

1. ５ （多く否定の形をとる）必要とする。

   1. 「その産地を問うことを—・いず」〈鴎外訳・即興詩人〉

[補説]ワ行上一段の「用ゐる」が、「用ふ」とハ行上二段に活用するようになり、さらに「用ゆ」とヤ行上二段にも活用するなど、平安時代以降のいろいろの音韻変化の影響で複雑な活用をとげた。→用う →用ゆ

[用法]もちいる・[用法]つかう——「コンピューターを用いて（使って）収支計算をする」のように、ある用に役立てる意では相通じて用いられる。◇「用いる」は文章語的で「部下の提案を用いる（＝採用する）」「有能と見て重く用いる（＝登用する）」などの用法があるように、特にそれを取り上げて使用する意が強い。◇「使う」の方が口頭語的で、意味の範囲も広い。「頭を使う」「神経を使う」の形には普通は「用いる」を使わない。また、「意を用いる」「心を用いる」の形には「使う」を使用しない。◇人について、「新人を使う（用いる）」のように起用するの意では両語とも使えるが、「店員を三人使っている」「人に使われる身」のように働かせるの意では「用いる」を使うことはない。◇類似の語に「使用」がある。「使用する」「使う」は相通じて用いられる。

類語

• 使う(つかう)

出典：デジタル大辞泉（小学館）

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