[名]《「おおまえ(大前)」の音変化で、神仏・貴人の前を敬っていう。転じて、間接的に人物を表し、貴人の敬称となる》
  1. 神仏・貴人のおん前。おそば近く。みまえ。ごぜん。「主君の—へ進み出る」

  1. 貴人を間接にさして敬意を表す言い方。「…のおまえ」の形でも用いる。

    1. 「かけまくもかしこき—をはじめ奉りて」〈・二四〉

    2. 「宮の—の、うち笑ませ給へる、いとをかし」〈・二七八〉
[代]《古くは目上の人に対して用いたが、近世末期からしだいに同輩以下に用いるようになった》二人称の人代名詞。
  1. 親しい相手に対して、または同輩以下をやや見下して呼ぶ語。「—とおれの仲じゃあないか」

  1. 近世前期まで男女ともに目上の人に用いた敬称。あなたさま。

    1. 「私がせがれにちゃうど—ほどながござれども」〈浄・阿波鳴渡

出典:青空文庫

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