かた【方】

の解説

［名］

1. １ 方角。方向。むき。「西の—を望む」

1. ２ 物事の方向。決着。始末。

1. ３ 時間上の方向。ころ。とき。時節。「来し—を思う」

1. ４ 《方角を示すことによって間接的に》人をさす敬った言い方。「女の—」「乗り越しの—」

1. ５ 方法。手段。「せん—もない」

1. ６ 対として考えられるものの一方。人数を二組に分ける場合にいうことが多い。

   1. 「—の人、男女居わかれて」〈枕・一四三〉

1. ７ 方面。箇所。関係する点。

   1. 「和歌の—にもいみじう染ませ給へり」〈栄花・月の宴〉

1. ８ そのようなありさま。ようす。

   1. 「おのづから軽 (かろ) き—にぞおぼえ侍るかし」〈源・帚木〉

［接尾］

1. １ 動詞の連用形に付いて、方法・手段、また、ようす・ありさまなどの意を表す。「ひもの結び—」「車の混み—」

1. ２ 動詞の連用形や動作性の漢語名詞に付いて、…すること、の意を表す。「打ち—やめ」「調査—を依頼される」

1. ３ 他人の氏名などに付いて、その人のもとに身を寄せていることを表す。「中村さん—」「田中太郎様—」

1. ４ 数を表す語に付いて、人を数えるのに用いる。現在では、「お」を冠して、丁寧な言い方として用いられる。「おひと—」「おふた—」

1. ５ 《「がた」とも》名詞に付く。

   1. ㋐二つあるものの一方の側、また、それに属する人を表す。「相手—」「母—」

   2. ㋑その物事を担当する係であることを表す。「まかない—」「会計—」

1. ６ 《「がた」とも》数量などを表す名詞に付いて、だいたいそのくらいの意を表す。「三割—安い」「八割—片付いた」

1. ７ 方向の意を表す。

   1. 「いづ—に求め行かむ」〈伊勢・二一〉

類語

• 人(ひと)
• 者(もの)
• 奴(やつ)

出典：デジタル大辞泉（小学館）

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