1. 五十音図タ行の第3音。歯茎の無声破擦子音[ts]と母音[u]とからなる音節。[tsu]

  1. 平仮名「つ」、片仮名「ツ」はともに「州」の略体からかといわれる。

[補説]「つ」「ツ」の字源については諸説があり、今日なお確定していない。「州」のほかに、「川」「津」「鬪」などからかとの説もある。
  1. 「つ」は、また、促音(つまる音)の音節を表すのにも用いられる。現代仮名遣いでは、促音の「つ」は、なるべく小書きにすることになっている。

  1. 船が停泊する所。また、渡船場。ふなつき場。港。「三箇 (さんが) の—」

    1. 海上 (うなかみ) のその—をさして君が漕 (こ) ぎ行かば」〈・一七八〇〉

  1. 港をひかえて、人の多く集まる所。また一般に、人の多く集まる地域

    1. 「十四日の夕暮、敦賀の—に宿をもとむ」〈奥の細道

三重県中部伊勢湾に面する市。県庁所在地。もと藤堂氏の城下町。県行政・文教の中心地。古く、安濃津 (あのつ) と称し、三津 (さんしん) の一。平成18年(2006)1月、久居 (ひさい) 市や周辺8町村と合併。人口28.6万(2010)。

つば。つばき。唾液 (だえき) 。

「盗人たちは、…いずれも—をのんで、身動きもしない」〈芥川偸盗

[助動][て|て|つ|つる|つれ|てよ]《動詞「う(棄)つ」の「う」が脱落したものという》活用語の連用形に付く。
  1. 動作作用の完了したことを表す。…た。…てしまった。

    1. 「なよ竹のかぐや姫とつけ」〈竹取

  1. 多く「てむ(てん)」「つべし」「つらむ」の形で、陳述確認強意を表す。きっと…する。確かに…する。

    1. 「門 (かど) よくさしてよ。雨もぞ降る」〈徒然・一〇四〉

    2. 「このことかのこと怠らず成じん」〈徒然・二四一〉
  1. 「…つ…つ」の形で、動作作用同時に、または繰り返し行われることを表す。

    1. 「飲み食い此時まで」〈逍遥当世書生気質

    2. 「夜昼三日まで上げ下し拷問せられけるに」〈太平記・一三〉
[補説]3は平安後期以降の用法。「つ」と「ぬ」の違いは、「つ」が多く他動詞に付き、動作の完了、意志的な完了を表すのに対し、「ぬ」は多く自動詞に付き、状態発生、自然的な完了を表す傾向がある。また、「つ」は事実状態を直接的に表現するのに対し、「ぬ」は事実状態を傍観的に表現するという。→たり
[格助]名詞、形容詞の語幹に付く。連体修飾語であることを示し、所有所属などの意を表す。…の。…にある。
  • 「庭—鳥鶏 (かけ) の垂り尾の乱れ尾の長き心も思ほえぬかも」〈・一四一三〉
「醜 (しこ) —翁の言だにも」〈・四〇一一〉
[補説]上代に用いられ、中古以後も「まつげ」「ときつかぜ」など複合語に残る。格助詞「の」に比べて用法が限られており、場所位置に関する語に付くことが多く、時・性質などに関する語にも付く。
[接尾]助数詞。和語数詞に付いて、物の数や年齢などを数えるのに用いる。「ひと—、ふた—」「五—の誕生日」
[補説]一(ひと)から九(ここの)までの数に付くほか、古語では百(もも)や五百(いお)に付いた例がみられる。
  • 「白玉の五百つ集ひを解きも見ず」〈・二〇一二〉

つう

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