1. ある時刻と他の時刻との間の長さ。ある長さをもつ時。「この仕事は—がかかる」「待ち合わせの時刻まで映画で—をつぶす」

  1. 時の流れの中の、ある一点。時刻。とき。「—どおりに開会する」「出発の—に間に合う」

  1. 時の長さを数える単位。時 (じ) 。「1—は60分である」

  1. 授業勤務など、ある一定の区切られた長さの時。「算数の—」「勤務—」

  1. 哲学で、空間とともにあらゆる事象の最も基底的、普遍的な存在形式。また出来事が継起する形式過去現在未来の三様態をもち、常に一方向に経過し、非可逆的である。近世以降の哲学的時間論では、空間とともに現象構成する直観の先天的形式(カント)、意識の創造性を担う純粋持続(ベルクソン)、意識における広がりのある今の継起たる現象学的時間(フッサール)など特色あるものが出されている。→空間

  1. 現象経過していく前後関係を明示するための変数古典力学では空間に対する独立した変数と見なされたが、相対性理論では空間とともに四次元世界をつくるとされる。

[補説]書名別項。→時間

黒井千次の短編小説。昭和44年(1969)「文芸」誌に掲載された著者のデビュー作。同作を表題作とする短編小説集は他に「穴と空」「空砲に弾を」などの作品を収め、同年8月に刊行。本作により、昭和45年(1970)芸術選奨文学部門新人賞受賞。

出典:青空文庫

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2023年11月