いや‐ちこ【灼然】
[形動ナリ] 1 神仏の利益(りやく)や霊験などのあらたかなさま。「かく—なる奇瑞侍れば」〈読・弓張月・残〉 2 際だって明らかなさま。「理実(ことわり)—なり」〈神武紀〉
いん‐ぜん【隠然】
[ト・タル][文][形動タリ]表面ではわからないが、陰で強い力を持っているさま。「経済界に—たる勢力をもつ」⇔顕然。
うつ‐ぜん【鬱然】
[ト・タル][文][形動タリ] 1 草木がこんもりと茂っているさま。鬱蒼(うっそう)。「果樹が—と生茂り」〈荷風・つゆのあとさき〉 2 物事の勢いよく盛んなさま。「—たる反対派の動き」 3 気が...
うるわしきてんねん【美しき天然】
武島羽衣作詞、田中穂積作曲の唱歌。明治35年(1902)発表。前年刊行の小学校国語教科書「新編国語読本」に掲載された武島の詩に、田中が曲をつけたもの。
えい‐ぜん【瑩然】
[ト・タル][文][形動タリ]きらきらと輝いているさま。「—として光を生ず」〈久米邦武・米欧回覧実記〉
えん‐ぜん【婉然】
[ト・タル][文][形動タリ]しとやかで美しいさま。「—と舞う」「—たる挙措」
えん‐ぜん【嫣然/艶然】
[ト・タル][文][形動タリ]にっこりほほえむさま。美人が笑うさまについていう。「四分の羞(はじ)六分の笑(えみ)を含みて、—として灯光(あかり)の中(うち)に立つ姿を」〈蘆花・不如帰〉
えん‐ぜん【宛然】
[ト・タル][文][形動タリ]そっくりそのままであるさま。「—たる列仙伝中の人物だね」〈漱石・吾輩は猫である〉 「県会は、—戦争の如き有様を呈した」〈嶺雲・明治叛臣伝〉
おう‐ぜん【旺然】
[ト・タル][文][形動タリ]物事の盛んなさま。「此の難所を除こうと云う思い付きが—として起ったのも」〈菊池寛・恩讐の彼方に〉
おう‐ぜん【汪然】
[ト・タル][文][形動タリ]涙が盛んに流れるさま。「—として涙は時雄の鬚面を伝った」〈花袋・蒲団〉