よし‐づ・く【由付く】
[動カ四]趣がある。風情がある。由緒ありげである。「いと—・きてをかしくいますかりければ」〈大和・一四二〉
よし‐な・い【由無い】
[形][文]よしな・し[ク] 1 そうするいわれがない。理由がない。「—・い言い分を繰り返す」 2 そのかいがない。つまらない。くだらない。「—・い長話」「—・い人に組みしたのが運のつきだと」〈...
よし‐なし【由無し】
[形動ナリ]理由のないさま。「斯太(しだ)の浦を朝漕ぐ舟は—に漕ぐらめかもよよしこさるらめ」〈万・三四三〇〉
よしなし‐ごころ【由無し心】
つまらない考え。たわいもない気持ち。「今は、昔の—もくやしかりけりとのみ思ひ知りはて」〈更級〉
よしなし‐ごと【由無し事】
つまらないこと。とりとめもないこと。「つれづれに侍るままに、—ども書きつくるなり」〈堤・由無し事〉
よしなし‐ごと【由無し言】
意味のないおしゃべり。つまらない話。「—言ひてうちも笑ひぬ」〈徒然・三〇〉
よしなし‐もの【由無し物】
つまらないもの。無益・無用のもの。「この石は、女どもこそ—と思ひたれども」〈宇治拾遺・一三〉
よしなし‐ものがたり【由無し物語】
つまらない物語。たわいのない話。「つれづれのままに、—、昔今の事語り聞かせ給ひしをり」〈讃岐典侍日記・下〉
よしなし‐わざ【由無し業】
たわいのないしわざ。無益な行為。「などかくはするぞ。—する」〈宇治拾遺・一〇〉
よし‐ばみ【由ばみ】
上品ぶること。気どること。また、そうした振る舞い。「今様の—よりは、こよなう奥ゆかしうと」〈源・末摘花〉