1. 書画などを写しとること。模写。また、その書画

  1. 書類などの控えとして書き写したり複写したりした文書。謄本 (とうほん) 。コピー。「証書の—」

  1. 写真映画などにとること。「大—」「二重—」

  1. 模造品。「天目 (てんもく) の—」

映像をスクリーンなどに現し出すこと。

  1. 移し花 (ばな) 」に同じ。

    1. 「秋の露は—にありけり水鳥の青葉の山の色づく見れば」〈・一五四三〉

  1. 香を衣類などに染み込ませること。また、その香。

    1. 「菊の露もこちたく、おほひたる綿などもいたくぬれ、—の香ももてはやされて」〈・一〇〉

  1. 移しの馬」の略。

    1. 「—に乗せ給ひて走らせ給へれば」〈宇津保・楼上下〉

  1. 移し鞍 (ぐら) 」の略。

    1. 「足疾 (と) き御馬に—置きて」〈・夕霧〉

[形シク]《「うつつ」と同語源》
  1. 現実にこの世に生きている。

    1. 「葦原の中つ国にあらゆる—・しき青人草」〈・上〉

  1. 正気である。気が確かである。

    1. 「春の日のうら悲しきにおくれゐて君に恋ひつつ—・しけめやも」〈・三七五二〉

[補説]上代には未然形・已然形に「しけ」の活用があった。なお、終止形(語幹)「うつし」はそのままで連体修飾用法となることもある。「うつしごころ」「うつしおみ」など。
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