かしこ【^▽畏／^▽恐／賢】

の解説

《形容詞「かしこい」の語幹から》

1. １ 女性が手紙の終わりに添えるあいさつの語。かしく。男性の用いる「恐惶 (きょうこう) 謹言」などにあたる語。「あらあら—」

1. ２ 恐れ多いこと。もったいないこと。多く「あなかしこ」の形で用いられる。

   1. 「確かに御枕上に参らすべき祝の物に侍る。あな—」〈源・葵〉

1. ３ すぐれていること。すばらしいこと。

   1. 「草にも真名 (まな) にも、…書きまぜ給へり。—の御手や、と空を仰ぎてながめ給ふ」〈源・葵〉

1. ４ 思慮・分別などに優れていること。利口なこと。

   1. 「我—に思ひたる人、憎くもいとほしくも覚え侍るわざなり」〈紫式部日記〉

関連語

• 頓首(とんしゅ)
• 不一(ふいつ)
• 不二(ふじ)

かし‐こ【^▽彼^▽処】

の解説

［代］遠称の指示代名詞。

1. １ 話し手・聞き手の両方から離れた場所をさす。あそこ。「どこも—も満員だ」

   1. 「笑声嬉々として此処に起これば、歓呼怒罵乱れて—に湧く」〈独歩・忘れえぬ人々〉

1. ２ 話の中にあげられた場所をさす。そこ。

   1. 「この山守 (やまもり) が居る所なり。—に小童あり」〈方丈記〉

出典：デジタル大辞泉（小学館）

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