古代中国で、匈奴 (きょうど) など北方の異民族の呼称北狄
綱淵謙錠 (つなぶちけんじょう) の長編時代小説。昭和47年(1972)から昭和48年(1973)にかけて「別冊文芸春秋」誌にて連載。単行本は昭和49年(1974)刊行。新撰組からの脱走隊士が、流転の果てにたどり着いた樺太経験する日露紛争を描く。
  1. 戦い・競争試合相手。「大国を—に回して戦う」「—の意表をつく」「—をつくりやすい言動」⇔味方

  1. 害を与えるもの。あるものにとってよくないもの。「民衆の—」「社会の—」「ぜいたくは—だ」

  1. 比較対象になる相手。「—のほうがもてる」「弁舌にかけては彼の—ではない」

  1. 遊里で、客と遊女とが互いに相手をさしていう語。相方。おてき。

    1. 「—もをかしき奴 (やつ) にて」〈浮・一代男・二〉

  1. (「的」とも書く。代名詞的に用いて)多少軽蔑して、第三者をさしていう語。やつ。やつら。

    1. 「—めもえらい痴呆 (へげたれ) めぢゃ」〈滑・浮世風呂・前〉

[用法]敵 (てき) ・[用法]かたき——自分にとって害をなすもの、滅ぼすべき相手の意では「敵」も「かたき」も相通じて用いられるが、普通は「敵」を使う。「かたき」はやや古風ないい方。◇「敵」は戦争競争試合の相手全般について使う。「敵を負かす」「敵に屈する」「敵が多い」◇争いなどの相手の意で使う「かたき」は、「恋がたき」「商売がたき」「碁 (ご) がたき」のように複合語として用いられることが多い。◇深い恨みを抱き、滅ぼしたいと思う相手の意では「かたき」を使う。「親のかたきを討つ」「父のかたきを取る」「目のかたきにする」など。◇類似の語に「あだ」がある。「かたき」と同じように使われ、「あだ(かたき)討ち」などという。ただし「恩をあだで返す」は「かたき」で置き換えられない。

ビフテキ」の略。

[接尾]

  1. 名詞に付いて、形容動詞語幹をつくる。

    1. ㋐そのような性質をもったものの意を表す。「文学表現」「詩—発想

    2. ㋑それについての、その方面にかかわる、などの意を表す。「教育見地」「政治—発言」「科学方法

    3. ㋒そのようなようすの、それらしい、などの意を表す。「大陸風土」「平和—解決」「徹底追求

  1. 人名や人を表す語(また、その一部)に付いて、親しみや軽蔑 (けいべつ) の気持ちを込めて、その人を呼ぶのに用いる。「取—(=下級力士)」「泥—(=泥棒)」「幸—(=幸次郎)」

[補説]1は、中国語の「の」の意味に当たる助辞の使い方にならって、明治時代の翻訳文のなかで、英語の‐ticなどの形容詞的な語の訳語に「的」を当てはめたことに始まる。
名詞以外にも、「彼は『犬も歩けば』的な慣用句を多用する癖がある」「彼の上から物申す的な態度が気になる」のように文や句を受ける用法もある。
また最近、「わたし的には」「ぼく的には」という若い人が増えて批判対象となった。これは「わたしは」「ぼくは」と直截に言うのを避けた言い方である。「わたしとしては」「ぼくとしては」とぼかした表現で、「個人的には」「将来的には」などと同じ用法と見てよい。→方 (ほう) とか
[接尾]助数詞。液体のしたたりの数を数えるのに用いる。「一—も残さず飲み干す」
連語《完了の助動詞「つ」の連用形+過去の助動詞「き」》…た。…てしまった。
  • 去年 (こぞ) 見—◦し秋の月夜 (つくよ) は渡れども相見し妹 (いも) はいや年離 (さか) る」〈・二一四〉

出典:青空文庫

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