[名]
  1. 位置関係で、基準とするものより高い方、高い所をいう。

    1. ㋐立体的に見て、高い所。高い場所。「一段—に上る」⇔下 (した) 

    2. ㋑紙などの平面で、縦の方向自分より遠くに離れている所。「横線より—にある点」⇔下 (した) 

    3. 室内座敷。「—におあがり」

    4. 順序から見て、連続する先の部分。「—に述べた事柄は…」

    5. ㋔音の高い部分。「—の音が出ない」⇔下 (した) 

  1. 物の表面。「雪の—を滑る」

  1. 外側。「上着の—にコートを着る」⇔下 (した) 

  1. 程度地位・年齢・能力・数量などが勝っていること。また、その人。「成績が僕より—だ」「二歳—の人」「—からの指示」「—の学校に進む」⇔下 (した) 

  1. ある物事に関すること。「仕事の—で苦労が多い」「酒の—の失敗」「帳簿の—では黒字だ」

  1. ある事柄と他の事柄とを関係させていう時に用いる。

    1. ㋐…に加えて。「ねだんが安い—に、品質が優れている」

    2. ㋑…したのち。…した結果。「相談した—で返事する」「知的探検家の努力の—に現代科学は築かれている」

    3. ㋒…するため。「勉学を続けて行く—に必要学費

    4. ㋓(「うえは」の形で)…からには。「かくなる—はやむをえない」

  1. 高い地位を占めている場所、または人々。

    1. 高貴な人、特に主上の御座所に近い所。禁中殿上 (てんじょう) の間。

      「—にさぶらふをのこども歌奉れと仰せられける時に」〈古今・秋上・詞書

    2. 主上。天皇。後世では将軍・大名をもさす。

      「—も聞こしめし、めでさせ給ふ」〈・二三〉

    3. ㋒貴婦人。特に奥方

      「離れ給ひし元の—は」〈竹取

  1. 付近。ほとり。

    1. 「石 (いは) 走る垂水 (たるみ) の—のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも」〈・一四一八〉

[接尾]
  1. 名詞に付いて、自分または相手目上の近親者に対する尊敬の意を表す。現代では、手紙やあらたまった場合などに用いる。「父—様」「姉—」

  1. 貴人の妻の呼び名に付いて、尊敬の意を表す。

    1. 「紫の—にも御消息ことにあり」〈・若菜上〉

  1. 目上の人を表す語に付いて、尊敬の意を表す。

    1. 「故院の—の、今際 (いまは) のきざみにあまたの御遺言ありし中に」〈・若菜上〉

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