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テレワークなど家で過ごす時間も増えている昨今。
すきま時間に小説を書き始めたという人も多いのではないでしょうか。
「idraft(アイドラフト)」など便利なアプリを使って小説を書き上げたものの、さて本にするにはどうしたらいいのかさっぱり……。
本のサイズはどう決めたらいい?
1ページに文字はどれぐらい載せるもの?
いざ自分で作るとなると、迷いますよね。
ここでは本のサイズについてわかりやすく説明しますので、参考にして素敵な本を作ってみてください。
同人誌によくあるサイズ(判型)は?
一般的に下記の4種が同人小説を作る際のオーソドックスなサイズになります。
A5判・B6判なら、20ページ前後で2万字ほど。
新書や文庫サイズなら、200~250ページで、10万字ほどの文字数があれば、本としての体裁が整います。
「idraft」をはじめとした文章作成アプリで、文字数をカウントしながら進めましょう。
- 文字のサイズは?
文字サイズにより、ページ数は変わります。
印刷費用を考えるとたくさん詰め込みたくなりますが、あまり小さくしてはいけません。
どんなサイズでも、使用する文字サイズは8~10ポイントがベスト。
商業出版の文字サイズは9ポイントが主流です。
極端に文字サイズが小さいと、読者もパッと見て「読みにくそう」と敬遠してしまいます。
逆に文字が大きすぎるとページ数が増え、コスト的におすすめできません。
初心者は標準的な文字サイズを使いましょう。
「idraft」のプレミアムプラン(月額180円(税込)~)のPC版には、文字のフォントサイズを選べる機能があります。
出来上がりをイメージしやすくて便利な機能です。
A5判サイズ
- 1ページに入る文字数(2段組)|25文字×20行=約1000文字
A5判はA4のサイズの半分。教科書サイズと考えれば連想しやすいでしょう。
同人誌に多い定番サイズです。文芸誌もこのサイズが多いですね。
文字だけでなく、イラストや図版も掲載しやすいサイズです。
A5サイズのメリット
・1ページに入る文字数が多く、ページ数を節約できる
・サイズが大きく、挿絵などのイラストや図版も載せられる
・大きなサイズなので即売会などで目立つ・見栄えがする
・A5判は同人小説でもベーシックなサイズなので、どの印刷所でも対応
A5サイズのデメリット
・一見、漫画同人誌と間違われやすい
・大きいため持ち歩いて読むにはやや不向き。
B6判サイズ
- 1ページに入る文字数(1段組)|50 文字×20行=約1000文字
- 1ページに入る文字数(2段組)|23文字×20行=約920文字
B6判は単行本や青年コミックスのサイズです。
現在、Web小説を書籍にする際は、このサイズが主流になっています。
B6サイズのメリット
・持ち運びやすい
・イラストや図版も載せられる
B6サイズのデメリット
・1段組は1行の文字数が少ないとスカスカした印象に(その場合は2段組に)
・B6判の印刷に対応していない印刷所がある
新書判サイズ
- 1ページに入る文字数(1段組)|40 文字×15行=約600文字
- 1ページに入る文字数(2段組)|22文字×15行=約660文字
新書判は、横幅は文庫とほぼ同じ、縦は3㎝強ほど高いサイズ。
のっぽでスリムなサイズなのでイメージしやすいですよね。
新書サイズのメリット
・コンパクトなサイズ感。持ち運びに便利
・一見して小説とわかりやすい
・A5判やB6判に比べて横幅が短く、イベントや即売会で並べて陳列しやすい
・文字数・改行が多いスタイルであれば、新書がちょうどよいバランスに
新書サイズのデメリット
・1段組は1ページあたりの文字量は文庫本と変わらず、新書判にするメリットが少ない
・標準サイズは103×182㎜だが、印刷所により105×173㎜などとサイズにバラつきが。事前に印刷所に確認が必要
文庫版(A6判)サイズ
- 1ページに入る文字数(1段組)|40文字×15行=約600文字
文庫版(A6判)はカバンに入れやすく、持ち運びに便利なサイズ。
本に厚みが欲しければ文庫版がおすすめです。
カバーをつければ書店で売っているような仕上がりに。
文庫サイズのメリット
・同人小説だとひと目で認識しやすい
・気軽に購入しやすいサイズ感
・市販のブックカバーを利用しやすい
・イベント・即売会でたくさん並べられる
文庫サイズのデメリット
・最低でも10万文字以上ないと、文庫本らしい厚みが不足
・厚みがある分、1ページの行数が多すぎると、綴じしろに食い込んで読みにくくなる
・ページ数が多いため、印刷単価が高くなる
同人小説のサイズを決めるポイントは?
サイズを決めるのにルールはありません。ただし注意したいのが文字数です。
文字のフォントサイズや行数、余白の取り方で1ページに入る文字数は変動するもの。
おおよその文字数を決めてから、作りたい本のイメージや装丁・デザイン、印刷費用を考慮して最終的にサイズ決定となります。
手持ちの本で、サイズ感やページ数を参考にするのもおすすめです。
印刷料金でサイズを決める
たとえば10万字の原稿の場合…
・A5判は100ページ前後
・文庫判は170ページ前後
ページ数に大きく差があります。
印刷数や製本方法、用紙の種類やオプション加工などで値段は変わりますが、某印刷所の自動見積り計算の一例では
・A5判100ページ/50部 1万1990円(1冊あたり240円)
・文庫判(A6判)170ページ/50部/ 1万8040円(1冊あたり361円)
と、同ボリュームの文字数でも、サイズにより印刷料金に差がでます。
初めて同人小説を出版する時は、印刷料金や送料などの経費を考慮してサイズを選んでもいいかもしれません。
仕上がりイメージで決める
初めて同人小説を作るからこそ、理想の本を作りたい!そんな人もいるでしょう。
思い通りに仕上げると満足度も高く、次回作を書くモチベーションにもなります。
装丁は本の顔です。
A5判、B6判などはサイズが大きく、イラストや画像を使ったデザインが映え、装丁に凝りたい人向け。
目を引くことで手に取ってもらいやすくなります。
いかにも小説然とした本を作るなら、新書判や文庫判がおすすめです。
カバーや帯までつければ、書店に並ぶ小説と遜色ない仕上がりになります。
印刷入稿時の本文サイズ・表紙サイズの注意点
本文は上下左右の余白を厳守する
ページの上下左右いっぱいに文字があると、製本の際に本文の文字やページ番号が切れたり隠れたりしてしまいます。
同人小説に限らず、小説は無線綴じ(中のページの背の部分を特殊糊で固めて綴じる製本方式)が多いです。
本に厚みが出るほど開きにくくなり、中央のノド(綴じしろ)が見えにくくなります。
ノド(綴じしろ)は15~20㎜、小口(こぐち:ページの外側)は10mm、必ず空けておきましょう。
なお、縦書きの小説は右に開く「右綴じ」を選択しましょう。
本文が横書きの場合は左綴じです。
表紙は仕上がりサイズよりも大きいサイズで作成する
表紙のサイズは、仕上がりの本体サイズに上下左右3mm大きく作ります。
たとえばA5サイズ148×210㎜の場合、表紙は天地左右の四辺にそれぞれに3㎜を加えた、154㎜×216㎜のサイズで制作しましょう。
この3mm(塗り足し)は製本する際に切り落とされます。
塗り足しがないと断裁のわずかなズレで、印刷用紙の白地が出てしまうことに。
またタイトルなど切れては困る文字も、切れないように仕上がりサイズより最低3㎜は内側に配置しましょう。
背幅(背表紙)は2㎜以上、文字を入れるなら3㎜以上に設定
背幅は、使用する本文用紙や表紙用紙の厚さにより変わります。
最低でも2㎜以上あると、体裁よく見えます。
また背幅部分にもタイトルを入れるなら、背幅3㎜以上を守ってください。
印刷所のサイトには、使用する用紙やページ数を入力すれば背幅を自動で計算できるツールがあります。
背幅のサイズを確認後、表紙のデザインを行ないましょう。
文章作成アプリ「idraft」でサクサク執筆
小説を執筆する同人作家層を中心に支持されている文章作成アプリ「idraft」。
2020年7月の提供開始から50万ダウンロード(2023年6月時点)され、「idraft」ユーザーの75%が小説執筆に利用している人気のアプリです。
サイズ決定に必要な文字数の自動カウントはもちろん、言い換えや類語、重複表現や「ら抜き言葉」もワンクリックでチェック。
サジェストされた言葉を素早く修正できる便利な機能もあり、執筆がはかどると好評です。
「idraft」の便利な機能
「idraft」のアプリ内で手軽に辞書が引ける機能も優秀です。
アプリ切り替えなしで調べられるので、集中して書き進められます。
ほかにも文字サイズの設定や、作品ごとや章ごとに保存できるフォルダー機能も。
もちろん自動保存しているので、うっかり保存し忘れても心配ありません。
「idraft」プレミアムプランならPCでの作業もOK
「idraft」は、月額180円(税込)~のプレミアムプランなら同期できる端末が無制限。
外出先の移動時間や空き時間にはスマホでさっと執筆、家のPC」で推敲や校正できるのも便利です。
プレミアムプランに加入すれば、創作がよりはかどる『感情ことば選び辞典』や、行頭の字下げや句読点の統一をチェックする機能も使えます。
スマホやタブレット、PCでと、さまざまなシチュエーションで執筆が可能に。
「スマホのフリック入力より、キーボード入力の方がスピードが上がる」という人は、PCで使えるプレミアムプランがおすすめです。
まとめ
今回は、書き上げた同人小説を製本する際のサイズの決め方、印刷所へ入稿する際の注意点などをご紹介しました。
プロの作家と違い、同人小説の書き手さんには、校閲者や校正者がいません。
文章の表現や言葉の重複、表記の統一といった、不慣れな校正・推敲作業を一人でするのは大変です。
言葉のチェックや素早く調べれられる辞書など、便利な機能が満載の「idraft」は、同人作家さんの強力な味方になってくれるでしょう。
このアプリを活用して、素敵な同人小説を本として作り、世に送り出してくださいね。
執筆ライター:ちかま さとし