た‐の・む【手飲む】
[動マ四]手ですくって飲む。和歌で、多く「頼む」に掛ける。「山城の井手の玉水手にむすび—・みしかひもなき世なりけり」〈伊勢・一二二〉
た‐の‐む【田の面】
「たのも」の音変化。和歌などで「頼む」に掛けて用いる。「みよしのの里は荒れにし秋の野に誰を—の初雁の声」〈夫木・一二〉
たのむ‐の‐かり【田の面の雁】
田に下りている雁(がん)。和歌などで、多く「頼む」に掛けて用いる。「わが方によると鳴くなるみ吉野の—をいつか忘れむ」〈伊勢・一〇〉
たま‐がわ【玉川】
川の名。全国に6か所あり、総称して六玉川(むたまがわ)という。宮城県塩釜市・多賀城市を流れる、野田の玉川。東京都を流れる、調布(たつくり)の玉川(多摩川)。滋賀県草津市を流れる、野路の玉川。京...
たまきわる【たまきはる】
鎌倉前期の日記。1巻。藤原俊成の娘、建春門院中納言の作。建保7年(1219)成立。女房として宮中に仕えた生活を、老後になって回想したもの。書名は冒頭の和歌の句による。建春門院中納言日記。建寿御前日記。
たま‐ごと【玉琴】
玉で飾った琴。また、琴の美称。「—、和歌に心をなし」〈浮・織留・六〉
たまつ‐しま【玉津島】
和歌山市和歌浦の地名。かつては島。玉津島神社がある。[歌枕]「—見れども飽かずいかにして包み持ち行かむ見ぬ人のため」〈万・一二二二〉
たまつしま‐じんじゃ【玉津島神社】
和歌浦にある神社。祭神は稚日女命(わかひめのみこと)・神功皇后・衣通姫命(そとおりひめのみこと)。古来、和歌三神の一として信仰される。
たま‐の‐うら【玉の浦】
和歌山県南東部、那智勝浦町の海辺。[歌枕]「我(あ)が恋ふる妹は逢はさず—に衣片敷きひとりかも寝む」〈万・一六九二〉
たん‐か【短歌】
和歌の一体。五・七・五・七・七の5句31音からなる歌。発生については諸説あるが、万葉時代には成立し、平安時代以降、長歌・旋頭歌(せどうか)などがほとんど作られなくなり、和歌といえば短歌をさすよう...