とう‐よう【蕩揺】
[名](スル)ゆり動かすこと。また、ゆれ動くこと。「春は何時(いつ)しか私の心を—し始めたのである」〈漱石・硝子戸の中〉
とらか・す【盪かす/蕩かす】
[動サ五(四)] 1 金属などを高熱によってとかす。とろかす。「炎暑は金を流し石を—・す程なるが」〈鉄腸・南洋の大波瀾〉 2 迷わして本心を失わせる。また、うっとりさせる。「人ノ心ヲ—・ス」〈日葡〉
とら・く【盪く/蕩く】
[動カ下二] 1 ばらばらになる。散る。〈名義抄〉 2 固まっていたものなどが解けほぐれる。緊張などが緩む。「堪能の人の句は心—・けて胸より出づる故に」〈ささめごと〉
とろか・す【蕩かす/盪かす】
[動サ五(四)] 1 固体状のものを熱してとかし、液状にしたりやわらかくしたりする。とらかす。「チーズを—・す」「鉄を—・す」 2 惑わして本心を失わせる。うっとりさせる。とらかす。「心を—・す...
とろ・く【蕩く/盪く】
[動カ下二]「とろける」の文語形。
とろ・ける【蕩ける/盪ける】
[動カ下一][文]とろ・く[カ下二] 1 固まっていた物が溶けて軟らかくなる。また、液状になる。「バターが—・ける」 2 心のしまりがなくなる。「甘美な音楽に心が—・ける」 3 心が和らぐ。なご...
とろ‐め・く【蕩めく】
[動カ四] 1 眠けを催して、とろとろする。うとうとする。「かく—・きて寝(い)をのみ寝給ふは」〈今昔・四・三一〉 2 うっとりする。恍惚(こうこつ)となる。「扇の蔭で目を—・かす」〈閑吟集〉