出典:青空文庫
・・・ワグナーの歌劇やハウプトマン、ズーデルマンなどの芝居などに親しんでいた当時の自分にはレビューというものは結局ただエキゾチックな玩具箱を引っくり返したようなものに過ぎなかった。 そんな訳であったから、後にアメリカに渡ったときも、レビューな・・・ 寺田寅彦 「マーカス・ショーとレビュー式教育」
・・・後年、ハウプトマンが有名な「織匠」にこの悲劇を描いた。ハウプトマンの「織匠」を観劇して、おさえられない感銘からケーテ・コルヴィッツが彼女の代表的な版画集『織匠』を創ったことはよく知られている。 すでに人生の苦闘の意味を知っているイエニー・・・ 宮本百合子 「カール・マルクスとその夫人」
・・・ 展覧会の委員は満場一致で、このハウプトマンの「織匠」を題材としたケーテの作品に銀牌をおくることを決議した。が、圧制者であるウィルヘルム二世は、労働者である織匠たちの生活の辛苦と、そこから解放を求めた闘いを題材とするこの全く新しい版画集・・・ 宮本百合子 「ケーテ・コルヴィッツの画業」
・・・丁度後にドイツの本を読むことになってからズウデルマンよりはハウプトマンが好だと云うと同じ心持で、そう云う愛憎をしたのである。 春水の人情本には、デウス・エクス・マキナアとして、所々に津藤さんと云う人物が出る。情知で金持で、相愛する二人を・・・ 森鴎外 「細木香以」
・・・ やがて彼女はベルリンに現われたが冷静なるハルデン氏は自然に偏しておると言って頌讃の声を惜しんだ。ハウプトマン氏は衝動的の演技だと言った。パリの批評家にしてウィーンの青年文学者に愛慕せられたサルセエ氏もこの年初めて彼女を見て、芸術ではな・・・ 和辻哲郎 「エレオノラ・デュウゼ」