み‐まき【御牧】
牧(まき)を尊んでいう語。古代の朝廷の直轄牧場。甲斐・武蔵・信濃などの国々にあった。
み‐まくさ【御秣/御馬草】
秣(まぐさ)を尊んでいう語。「この岡に草刈る童(わらは)な然(しか)刈りそねありつつも君が来まさむ—にせむ」〈万・一二九一〉
み‐まし【御席/御座】
貴人が座る席。また、そこに敷くもの。「天皇(すめらみこと)の—に置きて」〈顕宗紀〉
みま‐の‐みこと【御孫命/御孫尊】
天照大神(あまてらすおおみかみ)の子孫である天皇。「—、もし宝の国を得まくおぼさば」〈神功紀〉
み‐まや【御馬屋/御厩】
貴人を敬ってその厩(うまや)をいう語。「今日もかも都なりせば見まく欲(ほ)り西の—の外に立てらまし」〈万・三七七六〉
み‐むろ【御室】
1 貴人の住まい。おむろ。「しひて—にまうでて拝み奉るに」〈伊勢・八三〉 2 「御諸(みもろ)」に同じ。「神奈備(かむなび)の—の岸やくづるらむ竜田(たつた)の川の水のにごれる」〈拾遺・物名〉
み‐め【御妻/妃】
妃(きさき)・女御(にょうご)など、身分の高い人の妻を敬っていう語。「忍び忍び、帝の—さへ過ち給ひて」〈源・須磨〉
み‐もい【御水】
《「もい」は、元来、水をいれる器の意》水。「飛鳥井は、—も寒し、とほめたるこそをかしけれ」〈枕・一六八〉
みもすそ‐がわ【御裳濯川】
伊勢神宮の内宮神域内を流れる五十鈴川(いすずがわ)の異称。倭姫命(やまとひめのみこと)がこの清流で裳を洗い清めたという故事による名。
み‐もと【御許】
相手を敬って、そのそば近くをいう語。女性が手紙の脇付に用いることもある。おもと。おんもと。「鈴木様—に」「—に候はばやと」〈末灯鈔〉