《「断ち」の意》

  1. 長大な刀剣総称短小の「かたな」に対していう。

  1. 刃を下に向けて腰につり下げる長大な刀剣。刃を上に向けて帯にさす「かたな」に対していう。

[補説]本来は平安中期ごろまでの直刀 (ちょくとう) は「大刀」、それ以降の反り刀は「太刀」と書いて区別する。
[名]
  1. 立つこと。また、立っていること。「お—の方は速やかに御着席下さい」

  1. 旅立つこと。旅に出ること。出発。→御立 (おた) ち

    1. 「だから松野さんが—を延ばしなすったのです」〈木下尚江良人の自白

  1. 時の経っていくこと。経過。「月日の—が早い」

  1. 燃えてなくなること。尽きること。「—の早い炭」

  1. 釣りで、水深のこと。また、水面からまでの深さ。「—を取る」

[接頭]動詞に付いて、その意味を強めたり、やや改まった感じを表したりする。「—まさる」「—向かう」

知恵の多いこと。

「たとひ—禅定有りとも淫をたたずば」〈貞享版沙石集・四〉

  1. 生まれつきもっている性質体質資質。「辛抱強い—だ」「日焼けしやすい—」

  1. 物事性質。「いたずらにしては—が悪い」

  1. 国司郡司などの官舎

    1. 「甲斐国に—の侍なりけるものの、夕ぐれに—をいでて」〈宇治拾遺・三〉

  1. 貴人の邸宅。やかた。

    1. 「ほととぎす—を通してといふ許になくときくにも」〈かげろふ・下〉

  1. 貴人を敬っていう語。やかた。

    1. 大弐の御—の上の」〈玉鬘

  1. 小規模の城塞をなした地方豪族の居所。多く土塁や壕が巡らしてあった。屋敷。たて。

    1. 「次の日兵衛佐の—へ向かふ」〈平家・八〉

[接尾]人を表す名詞や代名詞に付く。
  1. 複数であることを表す。「子供—」「僕—」

  1. 複数の意とともに尊敬の意をも表す。

    1. 「大舟にま梶しじ貫 (ぬ) き此の我子を唐国へ遣るいはへ神—」〈・四二四〇〉

[補説]上代では、神・天皇・高貴な人に限って用いられた。
[用法]たち・[用法]がた・[用法]ども・[用法]——いずれも人が複数であることを示す接尾辞。◇「たち」は「公達 (きんだち) 」のように元来、若干の敬意を伴う表現であったが、現在では普通に「ぼくたち」「私たち」のように自称に付けたり、「犬たち」「鳥たち」のように動物にも用いるようになった。◇近ごろ「道具たち」のように物に「たち」を付けることがみられるが、これは正しい使い方とはいえない。◇「がた」は敬意を含んだ接尾辞で、「あなたがた」「先生がた」などと用いる。◇「ども」には見下す気持ちが含まれ、「がきども」「野郎ども」のように使う。また、自称の代名詞に付くと謙遜 (けんそん) の意を示す。「私ども」「手前ども」◇「ら」は使われる範囲が広い。「彼ら」「子供ら」のように敬意を含まない場合、「お前ら」のように蔑視を表す場合自称の代名詞に付いて謙遜の意を表す場合、「それら」「これら」のように指示代名詞に付いて物の複数を表す場合などがある。◇敬意程度は「あなたがた→あなたたち→お前ら」の順に低くなる。

出典:青空文庫

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