袖(そで)に時雨(しぐ)・る
袖に時雨が降りかかる。袖に涙が落ちるたとえ。「我ながら思ふか物をとばかりに—・るる庭の松風」〈新古今・雑中〉
袖(そで)に縋(すが)・る
袖にとりついて哀れみを請う。助けを求める。「知人の—・って命をつなぐ」
袖(そで)に◦する
親しくしていた人をないがしろにする。冷淡にあしらう。「恋人を—◦する」
袖(そで)に露(つゆ)置(お)・く
露がかかって袖がぬれる。また、涙で袖がぬれる。「草の葉にあらぬたもとも物思へば—・く秋の夕暮れ」〈山家集・下〉
袖(そで)に湊(みなと)の騒(さわ)・ぐ
港に波が打ち寄せて騒ぐように、袖に涙がひどく流れる。「思ほえず—・ぐかなもろこし舟の寄りしばかりに」〈伊勢・二六〉