だらに【陀羅尼】
《(梵)dhāraṇīの音写。総持・能持と訳す》梵文(ぼんぶん)を翻訳しないままで唱えるもので、不思議な力をもつものと信じられる比較的長文の呪文。陀羅尼呪。呪。→真言(しんごん)
だらに‐がね【陀羅尼鐘】
陀羅尼を読みながら鐘をつくこと。また、その鐘の音。→だらり
だらに‐じゅ【陀羅尼呪】
陀羅尼のこと。また、その呪文。
だらに‐すけ【陀羅尼助】
キハダやニガキなどの木皮の煎(せん)じ汁を濃縮して干した薬。きわめて苦く、腹痛に用いる。僧が陀羅尼を誦するとき眠けを防ぐために口に含んだという。吉野の大峰山から全国に普及した。だらすけ。
だらり【陀羅尼】
《「だらに」の音変化》陀羅尼鐘(だらにがね)のこと。特に、京都建仁寺東鐘楼の百八陀羅尼鐘をいう。「どんどんぐりのづしを出づれば建仁寺、—が鳴るぞ、だらつくまいぞ」〈浄・女腹切〉