事(こと)なきを◦得(え)る
大事にならないで済む。「出発時間に間に合って—◦得た」
ことな‐ぐし【事無酒】
病気・災厄などをはらうための酒。また、酒をたたえていう場合にも用いる。「—笑酒(ゑぐし)に我酔ひにけり」〈記・中・歌謡〉
こと‐なし【事無し】
[名・形動] 1 何もすることがないこと。また、そのさま。「常夏の花をだに見ば—にすぐす月日も短かかりなむ」〈後撰・夏〉 2 男女の間に特別のことが起こらないこと。また、そのさま。「—にて過ぐし...
こと‐な・し【事無し】
[形ク] 1 何事もない。平穏無事だ。「手抱(たむだ)きて—・き御代と天地(あめつち)日月と共に万代(よろづよ)に」〈万・四二五四〉 2 変わったことがなく退屈だ。大した用事もない。「公私(おほ...
こと‐な・し【殊無し】
[形ク]この上ない。格別である。「さしもなき事の、—・くこの世にまさりたりと見ゆる事やありし」〈浜松・三〉
ことなし‐がお【事成し顔】
その事を成し遂げてみせるといった顔つき。「そらごとする人の、さすがに人の—にて大事請けたる」〈枕・一六四〉
ことなし‐び【事無しび】
何事もないそぶり。なんでもないふり。「—に書き給へるが、をかしく見えければ」〈源・総角〉
ことなし・ぶ【事無しぶ】
[動バ上二]何事もないそぶりをする。知らないふりをする。「いみじく心もとなくのみおぼえ給へば、言すくなに—・びて」〈夜の寝覚・四〉
言(こと)成(な)・す
口やかましくうわさする。言いはやす。「大和の宇陀の真赤土(まはに)のさ丹(に)つかばそこもか人の我(わ)を—・さむ」〈万・一三七六〉
ことなら‐ば
[連語]《副詞「こと」+断定の助動詞「なり」の未然形+接続助詞「ば」。「ごとならば」とも》同じことならば。できることなら。「—咲かずやはあらぬ桜花見る我さへにしづ心なし」〈古今・春下〉