え【疫】
疫病。特に、悪性の伝染病。えやみ。「これは世の—にはおはしまさず」〈大鏡・道長上〉
おうけ‐づ・く【王気付く】
[動カ四]王者らしい風格が備わる。「—・きて気高うこそおはしませ」〈源・柏木〉
さり‐や【然りや】
[感]まったくそのとおりだ。ほんに。「—、聞こし召し集めよ。日本国には唯一無二におはします」〈大鏡・道長上〉
しば‐の‐と【柴の戸/柴の門】
柴を編んでつくった戸、または門。転じて、粗末なすみか。柴の編み戸。柴の門(かど)。柴の枢(とぼそ)。柴の扉。「なごり猶寄せ帰る浪荒きを、—おしあけてながめおはします」〈源・明石〉
よぎ・る【過る】
[動ラ五(四)] 1 前を横切る。通りすぎる。「目の前を黒い影が—・る」「不安が心を—・る」「思い出が一瞬頭を—・る」 2 途中で立ち寄る。「—・りおはしましけるよし、ただいまなむ人申すに」〈源...
ひわ‐やか【繊弱やか】
[形動ナリ]細く弱々しいさま。きゃしゃ。「いみじう—に美しうおはします」〈栄花・本の雫〉
ひる‐の‐おまし【昼の御座】
「ひのおまし」に同じ。「—に、ゐざり出でておはします」〈源・賢木〉
ふた‐ごころ【二心/弐心】
1 味方や主君にそむく心。裏切りの心。にしん。「—をいだく」 2 ふたりの人に同時に思いを寄せること。浮気心。「—おはしますはつらけれど」〈源・宿木〉
ひき‐いれ【引(き)入れ】
1 引き入れること。誘ったり導いたりして中に入れること。 2 元服の儀式のとき、冠をかぶらせること。また、その役をする人。烏帽子親(えぼしおや)。「—には閑院内大臣ぞおはしましける」〈栄花・初花〉
ふり‐は・う【振り延ふ】
[動ハ下二] 1 ことさらに物事をする。わざわざする。「かやうに—・へ給へるこそ、たけき心地すれ」〈源・薄雲〉 2 (「ふりはえて」の形で副詞的に用いる)わざわざ。ことさらに。「遠くおはしましに...