世間(せけん)が詰(つ)ま・る
世の中が不景気になる。「万事の商ひなうて、—・ったといふは毎年の事なり」〈浮・胸算用・五〉
世間(せけん)が張(は)・る
世間づきあいが広くなり、そのために費用が多くかかる。「全盛する程—・ってつらいものでごんす」〈浄・大経師〉
世間(せけん)が広(ひろ)・い
1 交際範囲が広い。つきあいが広い。 2 世間についての知識が広い。
せけん‐ぎ【世間気】
見えをはり、外聞を気にすること。世間体(せけんてい)を繕う心。「兼ねて用心せよと、—のかしこき人の言ひしらせける」〈浮・織留・六〉
せけん‐ぐち【世間口】
世間のうわさ。世間の口。「読誦(どくじゅ)のほか、—を閉ぢたれば」〈浄・出世景清〉
世間(せけん)虚仮(こけ)唯仏是真(ゆいぶつぜしん)
この世にある物事はすべて仮の物であり、仏の教えのみが真実であるということ。天寿国曼荼羅(てんじゅこくまんだら)に記されており、聖徳太子の言葉という。
せけん‐さわがせ【世間騒がせ】
[名・形動]世間の人々を騒がせるような事柄であること。また、そのさま。人騒がせ。「—な事件」
せけん‐し【世間師】
1 世間に通じていて巧みに世を渡ること。悪賢く世を渡ること。また、その人。 2 旅から旅を渡り歩いて世渡りをする人。
せけん‐しらず【世間知らず】
[名・形動]経験が浅く、世の中の事情にうといこと。また、その人やそのさま。世間見ず。「—な(の)青二才」
せけん‐じゃ【世間者】
1 世間一般の人。俗人。僧侶などからみていう。「—は楽しみなき事に楽しみありと見て、其の執心を離るる事なし」〈ぎやどぺかどる・下〉 2 世慣れた人。〈日葡〉