にこ‐げ【和毛/毳】
鳥獣の柔らかい毛。また、人の柔らかい毛。うぶげ。
にこ・し【和し/柔し】
[形ク]やわらかい。荒々しくない。穏やかである。「毛の—・き物、毛の荒き物」〈祝詞・広瀬大忌祭〉
にこ‐ずみ【和炭】
松・栗などを原料とした軟らかい木炭。鍛冶(かじ)に用いる。鍛冶屋炭。にきずみ。
にこ‐で【和手/柔手】
やわらかい手。「向かつ峰(を)に立てる夫(せ)らが—こそ我が手を取らめ」〈皇極紀・歌謡〉
にこ‐や【和や/柔や】
やわらかいこと。また、そのもの。「蠶衾(むしぶすま)—が下に」〈記・上・歌謡〉
にこ‐やか【和やか/柔やか】
[形動][文][ナリ] 1 ほほえみを浮かべるさま。にこにこしているさま。「—にあいさつを返す」 2 物腰・筆跡などの、柔らかいさま。「—なる方の懐かしさは」〈源・梅枝〉
にこ‐よ【和世】
6月・12月の大祓(おおはらえ)のとき、神祇官(じんぎかん)から天皇の贖物(あがもの)として献じた和妙(にきたえ)の衣。⇔荒世(あらよ)。
にこ‐よ【和節】
祓(はらえ)の式の節折(よおり)の儀で、天皇の身長を計る竹の一。⇔荒節(あらよ)。
にこ‐よか【和よか/柔よか】
[形動ナリ]「にこやか」に同じ。「秋風になびく川辺(かはび)のにこ草の—にしも思ほゆるかも」〈万・四三〇九〉
のど【閑/和】
[形動ナリ] 1 「のどか」に同じ。「明日香川しがらみ渡し塞かませば流るる水も—にかあらまし」〈万・一九七〉 2 平穏無事であるさま。「大君の辺(へ)にこそ死なめ—には死なじ」〈続紀・聖武・歌謡〉