くち‐ばし【嘴/喙】
《「口端(くちばし)」の意》鳥類の口の部分に突出する、上下のあごの骨の表面が角質化したもの。えさをとるほか、水飲み、羽の手入れにも使う。食性により形はさまざま。カモノハシやウミガメにもみられる。
嘴(くちばし)が黄色(きいろ)・い
《ひな鳥のくちばしが黄色いところから》年が若くて経験の足りないことをあざけっていう言葉。「まだまだ—・くて頼りにならない」
嘴(くちばし)を容(い)・れる
自分とは直接関係のないことに横から口出しをする。容喙(ようかい)する。「人のすることにすぐ—・れたがる」
嘴(くちばし)を挟(さしはさ)・む
「嘴を容(い)れる」に同じ。
嘴(くちばし)を鳴(な)ら・す
1 しゃべりたてる。 2 歯ぎしりをして悔しがる。「女—・し…思ひ死にをさしたその恨みにと飛んでかかるを」〈浮・一代男・四〉
さい‐し【嘴子】
パイプやホースなどの先に付ける、くちばし状の管。ノズル。
はし【嘴/觜】
《「端(はし)」と同語源》くちばし。「鶍(いすか)の—」「まがりたる—を開きて」〈鴎外・文づかひ〉
はし‐うち【嘴打ち】
鳥のひなが孵(かえ)る前に、卵の殻を内側からくちばしでつつくこと。
はしびろ‐がも【嘴広鴨】
カモ科の鳥。全長約50センチ。くちばしが幅広く、水面で小動物を濾(こ)し取って食べる。雄は頭が緑、胸が白、わきから腹が栗色。雌は全体に褐色。日本では冬鳥であるが、少数が北海道で繁殖。くちがも。
はしびろ‐こう【嘴広鸛】
ペリカン目ハシビロコウ科の鳥。全長約1.2メートル。全身灰色で、木靴型の大きなくちばしをもつ。アフリカの白ナイル上流地方に分布。