塵(ちり)に継(つ)・ぐ
先人のあとを継ぐ。「—・げとやちりの身につもれることを問はるらむ」〈古今・雑体〉
塵(ちり)に同(どう)・ず
《「老子」四章から》俗世間の人と交わる。塵に交わる。→和光同塵「権者の光を和げ、—・ずるもあるらん」〈貞享版沙石集・九〉
塵(ちり)に交(まじ)わ・る
世俗に交わる。「この家の福の神は—・り給ひしに」〈浮・永代蔵・五〉
ちり‐の‐すえ【塵の末】
ものの数にはいらないこと。また、そのような人。「結びおく契りとならば法の花—まで数にもらすな」〈続古今・釈教〉
ちりのなか【塵の中】
和田芳恵の短編小説。昭和38年(1963)刊行。同年、第50回直木賞受賞。
ちり‐の‐み【塵の身】
1 塵のようにつまらない身。「風の上にありか定めぬ—は行方も知らずなりぬべらなり」〈古今・雑下〉 2 俗世間にけがれた身。「立つやあだなる—は」〈謡・玉葛〉
ちり‐の‐よ【塵の世】
けがれたこの世。濁世。「神も交はる—の、花や心に任すらん」〈謡・小塩〉
ちり‐はらい【塵払い】
塵を払うこと。また、その道具。はたき。
ちり‐ばかり【塵ばかり】
[連語](多く副詞的に用いて)少しばかり。ほんの少し。ちりほど。「此の帯を挙げんとするに、—も動かず」〈今昔・三・五〉
ちり‐ば・む【塵ばむ】
[動マ四]ほこりにまみれる。「台盤なども傍(かたへ)は—・みて」〈源・須磨〉