こん‐せい【懇誠/悃誠】
[名・形動]まごころがこもっていること。また、そのさま。「極めて—に、飽くまで痛切に言わねば止まぬ」〈紅葉・多情多恨〉
さき‐くぐり【先潜り】
[名・形動](スル) 1 先回りしてこっそりと物事を行うこと。「—して矢張り東京で、何処ぞに匿(かく)したものに相違ないと」〈二葉亭・其面影〉 2 人の言動の先を悪いように推量して、かってにこう...
ささら・ぐ
[動ガ五(四)]流れる水がさらさらと音を立てる。「谷川の—・ぐように」〈紅葉・多情多恨〉
さし‐ぐ・む【差し含む】
[動マ五(四)]《「ぐむ」は接尾語》涙がわいてくる。涙ぐむ。「—・む涙を拭う」〈紅葉・多情多恨〉
しか‐く【然く/爾く】
[副]《副詞「しか」+副詞語尾「く」》そのように。そんなに。「一国の法が—掟(おきて)するならば」〈里見弴・多情仏心〉
し‐ごと【仕事】
[名](スル)《「し」はサ変動詞「す」の連用形。「仕」は当て字》 1 何かを作り出す、または、成し遂げるための行動。「やりかけの—」「—が手につかない」 2 生計を立てる手段として従事する事柄。...
し‐しょう【私消】
[名](スル)公共の金品を勝手に私用に消費すること。「誤魔化すの—するのと云うのではなく」〈里見弴・多情仏心〉
しと‐しと
[副] 1 雨が静かに降るさま。「春雨が—(と)降る」 2 物事をもの静かにするさま。しとやかなさま。しずしず。「娘の母親が、—とあがって来た」〈里見弴・多情仏心〉 [形動]湿っているさま。...
しみ‐た・れる
[動ラ下一] 1 「しみったれる1」に同じ。「—・れた老父(おやじ)」〈露伴・いさなとり〉 2 「しみったれる2」に同じ。「脅迫されるような始末じゃ、—・れずには居られないよ」〈紅葉・多情多恨〉
しも・げる【霜げる】
[動ガ下一] 1 野菜などが寒気や霜などで凍って傷む。「—・げた大根」 2 貧相になる。「小躯(こづくり)で痩過ぎた所は、何と無く—・げている」〈紅葉・多情多恨〉