まどい【惑い】
まどうこと。まよい。「心の—を振り払う」
まどい‐あ・う【惑ひ合ふ】
[動ハ四]互いに迷う。途方にくれる。迷い合う。「穴をくじり、かひばみ—・へり」〈竹取〉
まどい‐あり・く【惑ひ歩く】
[動カ四]道に迷ってさまよう。途方にくれてあてもなくさまよう。「昔、男、武蔵の国まで—・きけり」〈伊勢・一〇〉
まどい‐い・ず【惑ひ出づ】
[動ダ下二]あわてて退出する。「—・でて乗りはてて」〈枕・二七八〉
まどい‐い・る【惑ひ入る】
[動ラ四]あわてて中にはいる。あわててからだを引っ込める。「さすがに人に見えじと—・るほどに」〈枕・二八〉
まどい・く【惑ひ来】
[動カ変]あわててやって来る。「泣く泣く告げたりければ、—・来たりけれど」〈伊勢・四五〉
まどい‐ばし【惑い箸】
嫌い箸の一。食事の際、どのおかずをとろうかと、箸をあちこちに向けること。迷い箸。
まどい‐ふため・く【惑ひふためく】
[動カ四]うろたえて騒ぐ。「大なるくそとびの羽折れたる、土に落ちて—・くを」〈宇治拾遺・二〉
まどい‐もの【惑ひ者】
1 落ち着き所のない者。浮浪人。「君の御出家候ひなば、御内(みうち)の上下、皆—になりなんず」〈平家・二〉 2 人の道から外れた者。「古今、あまたの—、或いは傾城(けいせい)を刺し殺して」〈仮・...
まど・う【惑う】
[動ワ五(ハ四)]《上代は「まとう」》 1 どうしたらよいか判断に苦しむ。「さて何と言ったものやら、有繋(さすが)に—・ったのである」〈紅葉・多情多恨〉 2 道や方向がわからなくなる。まよう。「...