かけ‐じ【懸け路】
1 険しい道。「えもいはぬ—あり。屏風を立てたるごとくなり」〈今昔・五・四〉 2 がけの中腹にかけた桟道。かけはし。「木曽の御坂を越えかねて…—の下の草枕」〈風俗文選・四季辞〉
かけ‐す【懸巣】
カラス科の鳥。全長33センチくらい。体はぶどう色で、頭に黒い縦斑、翼の一部に白・黒・水色の斑があり、尾は黒い。山林にすみ、しわがれた声で鳴き、他の鳥獣の鳴きまねもする。樹上に枯れ枝などで杯形の巣...
かけ‐すずり【懸け硯/掛け硯】
掛け子のある硯箱。掛け子には硯・墨・水入れなどを入れ、その下の引き出しには小物などを入れる。かけすずりばこ。
かけ‐ず【懸けず】
[副]問題にもならずに。わけもなく。むぞうさに。「—けおさるるこそ、本意なきわざなれ」〈徒然・一〉
かけ‐タバコ【懸(け)タバコ】
採取したタバコの葉を縄に挟んで屋内や軒先につるし、乾燥させること。また、その葉。《季 秋》「事繁く臼踏む軒や—/太祇」
かけ‐だい【掛け鯛/懸け鯛】
1 昔の正月の飾り物。2匹の塩鯛をわら縄で結び合わせ、かまどの上や門松などに掛けたもの。小鯛を用いたので「掛け小鯛」とも。《季 新年》「—の影や柄杓(ひしゃく)のささら浪/紅葉」 2 祝儀の飾り...
かけ‐だ・す【掛(け)出す/懸(け)出す】
[動サ五(四)] 1 桟敷・縁など、建物の一部を本体から突き出して造る。「池へ—・した濡れ縁」 2 両替をするとき、客に渡す金銀の目方をごまかして実際より多く読む。「両替が手前にある物を—・して...
かけ‐ちから【懸け税】
上代、神社の玉垣にかけて神にささげた稲の初穂の束。懸け稲。「—千税(ちぢから)余り百税(いほちから)を」〈祝詞・同神嘗祭〉
かけ‐つなぎ【掛け繋ぎ/懸け繋ぎ】
⇒ヘッジ
かけ‐つの【懸(け)角】
《「かけづの」とも》平安時代以降、邪気を払うため、宮殿内の御帳台(みちょうだい)の入り口の左右の柱にかけたサイの角。のちには沈(じん)の木で作り、両端に銀の金具をつけてつるした。御角(みつの)。