とく【疾く】
《形容詞「と(疾)し」の連用形》 1 すぐに。急いで。「その窓の戸—さしてよ」〈鴎外・文づかひ〉 2 時間的にさかのぼった時点で。ずっと以前に。「(名刺ヲ)—用意をして居たらしい」〈鏡花・婦系...
とけし‐な・し
[形ク]《「とげしなし」とも》もどかしい。じれったい。待ち遠しい。「歩みくる間も—・く、なう我が君かなつかしや」〈浄・千本桜〉
とこしく‐に【常しくに】
[副]いつまでも。永久に。「すめろきの神の宮人ところづらいや—我かへり見む」〈万・一一三三〉
とこ‐よ【常世】
1 「常世の国1」に同じ。「—にと我が行かなくに小金門(をかなと)にもの悲しらに」〈万・七二三〉 2 「常世の国2」に同じ。「田道間守(たぢまもり)—に渡り」〈万・四一一一〉 3 永久に変わらな...
ところ‐ずら【野老葛】
[名]トコロの古名。「稲幹(いながら)に這ひ廻(もとほ)ろふ—」〈記・中・歌謡〉 [枕] 1 同音の繰り返しで「常(とこ)しく」にかかる。「—いや常しくに我かへり見む」〈万・一一三三〉 2 ...
ところに
[接助] 1 逆接の意を表す。…けれども。「身に逢うたらば、悦ばう—、かへって手向ひするは何事ぞ」〈伎・なぐさみ曽我〉 2 順接の意や単純な接続を表す。「イソポ風呂ニ行ッテミル—、ソノ風呂屋ノ前...
所(ところ)を置(お)・く
遠慮する。はばかる。「この世には我に所置き給ふべし」〈大鏡・時平〉
と‐ごころ【利心/鋭心】
するどい心。しっかりした心。「朝夕(あさよひ)に音のみし泣けば焼き大刀の—も我(あれ)は思ひかねつも」〈万・四四七九〉
とし【年/歳】
1 時の単位。1月1日で始まり、12月31日に終わる12か月間。陽暦では、地球が太陽の周囲を1周する時間、365.2422日を1年とする。陰暦では、月が地球を12周する時間を1年とする。 2 多...
とっけり
[副]熟睡するさま。ぐっすり。「逃げつ隠れつ、—夜の目も寝ねえせえだ」〈伎・小袖曽我〉