かた‐さま【方様】
[代]二人称の人代名詞。女性が男性に対して軽い尊敬・親愛の情を込めて呼ぶ語。近世、多く遊女が用いた。あなたさま。「何とて—の外におもわくの男がござんしよぞ」〈難波鉦・四〉
かた‐ざま【方様】
《「かたさま」とも》 1 方向。方角。「北の陣の—に歩み行くに」〈能因本枕・二四四〉 2 方面。向き。その筋。「今は、かかる—の御調度どもをこそは、とおぼせば」〈源・賢木〉 3 味方。身内。仲間...
かた‐たがい【方違い】
「方違え」に同じ。
かた‐たが・う【方違ふ】
[連語]《「たがふ」は下二段動詞》方違えをする。「大殿(おとど)へ—・へむとて渡り給ひにけるを」〈源・夕霧〉
かた‐たがえ【方違え】
陰陽道(おんようどう)で、外出するときに天一神(なかがみ)・金神(こんじん)などのいる方角を凶として避け、前夜、他の方角で一泊してから目的地に行くこと。平安時代に盛んに行われた。たがえ。かたたがい。
かたたがえ‐どころ【方違へ所】
方違えのため一時泊まりに行く家。「忍び忍びの御—はあまたありぬべけれど」〈源・帚木〉
かた‐ひ・く【片引く/方引く】
[動カ四]一方だけをひいきにする。えこひいきする。「兄を憎みて、弟(おとと)を—・き給ひて」〈愚管抄・四〉
かた‐ひと【方人】
歌合わせや競争などで、二組に分けられた一方の人。かたうど。「一二の相撲(すまひ)、—にとられ給へる御子達、上達、大将、中少将かへし給ふ」〈宇津保・内侍督〉
かた‐ふさがり【方塞がり】
「かたふたがり」に同じ。〈和英語林集成〉
かた‐ふたがり【方塞がり】
陰陽道(おんようどう)で、天一神(なかがみ)・金神(こんじん)などがいるために凶とする方角。かたふたぎ。かたふさがり。→方違(かたたが)え