ときつげ‐どり【時告げ鳥】
《時刻を告げるところから》ニワトリの別名。「明け方の—ともろともに起きよとたたく水鶏(くひな)なりけり」〈為忠集〉
時(とき)をつく・る
鶏が鳴いて夜明けの時を知らせる。
とく‐たく【徳沢】
恵み。恩沢。「明治維新の—に浴するよう」〈藤村・夜明け前〉
年(とし)立(た)・つ
1 年が明ける。新年になる。《季 新年》「—・つや音なし川は闇の中/万太郎」 2 年月が経過する。「吹き抜けの風穴があるということを、—・ってから聞きましたが」〈鏡花・高野聖〉
と‐まえ【戸前】
[名]土蔵の入り口の戸のある所。また、その戸。「—の錠もはずしてある」〈藤村・夜明け前〉
[接尾]助数詞。土蔵の数を数えるのに用いる。「蔵が十—ある」
と・む【尋む/求む/覓む】
[動マ下二]たずねもとめる。さがしもとめる。「夜明けて、血を—・めて行きて見ければ」〈宇治拾遺・八〉
ともあれ‐かくもあれ
[連語]どうあろうと。いずれにせよ。「—夜の明けはてぬさきに御舟に奉れ」〈源・明石〉
とよ【豊】
[語素]格助詞「の」を伴って連体詞のように用いるほか、名詞、時に動詞の上に付いて複合語をつくる。十分に満ち足りていること、豊かなことを表し、ほめる意を添える。「—の年」「—の明け」「—あしはら」...
とり‐が‐なく【鶏が鳴く】
[枕]地名「東(あづま)」にかかる。東国の言葉が鳥のさえずりのようにわかりにくいからとも、鶏が鳴くと東から夜が明けるからともいう。「—東をさして」〈万・四一三一〉
とん‐しゅう【屯集】
[名](スル)群れ集まりたむろすること。「筑波辺に—した賊徒どものうち」〈藤村・夜明け前〉