さよ‐の‐なかやま【小夜の中山/佐夜の中山】
静岡県掛川市の日坂(にっさか)から島田市菊川までの坂道。旧東海道の難所。夜泣き石伝説で知られる。さやのなかやま。[歌枕]「岩がねのとこに嵐をかたしきてひとりや寝なむ—」〈新古今・羇旅〉
さらしな‐やま【更科山】
長野県北部の冠着(かむりき)山の古称。月の名所。[歌枕]→姨捨山(おばすてやま)
さわだ‐がわ【沢田川】
京都府南部、木津川市の瓶原(みかのはら)地区付近を流れる泉川の部分名か。[歌枕]「いかにして影をも見まし—袖漬くほどの契りなりとも」〈壬二集・上〉
しか【志賀】
福岡市の志賀島(しかのしま)。[歌枕]「—のあまの塩焼く煙かぜをいたみ立ちは上らで山にたなびく」〈新古今・雑中〉
しかすが‐の‐わたり【然菅の渡り】
三河国宝飯(ほい)郡の吉田川(現在の豊川)の河口にあった渡し場。[歌枕]「ゆけばありゆかねば苦し—に来てぞ思ひわづらふ」〈中務集〉
しか‐の‐うら【志賀浦】
志賀島(しかのしま)の海岸。[歌枕]「—にいざりする海人(あま)明け来れば浦廻(うらみ)漕ぐらし梶の音聞こゆ」〈万・三六六四〉
しかま【飾磨】
兵庫県姫路市南部の地名。古くから瀬戸内海の要港。褐(かち)染めの産地。[歌枕]「播磨なる—に染むるあながちに人を恋しと思ふころかな」〈詞花・恋上〉
しが【志賀】
滋賀県琵琶湖南西岸、現在の大津市一帯の古称。[歌枕]「ささなみの—の唐崎幸(さき)くあれど大宮人の船待ちかねつ」〈万・三〇〉
しきつ‐の‐うら【敷津の浦】
古代の難波(なにわ)から住吉にかけての海岸。現在、大阪市浪速(なにわ)区に敷津の町名が残る。[歌枕]「住吉の—のなのりその名は告(の)りてしを逢はなくも怪し」〈万・三〇七六〉
しぎたつさわ【鴫立沢】
神奈川県中郡大磯町西部の渓流。名は西行の歌「心なき身にもあはれはしられけりしぎたつ沢の秋の夕暮」に由来する。そばに鴫立庵(でんりゅうあん)がある。[歌枕]