なま‐じめ【生締】
歌舞伎の鬘(かつら)の一種で、髷(まげ)を油で棒状に固めたもの。石切梶原や佐々木盛綱・熊谷直実など時代物の分別ある武士の役に用いることが多いので、これらの役柄をもさす。
名(な)を惜(お)し・む
名声・名誉が失われるのをおそれる。「—・むは武士の常」
に‐ごん【二言】
1 二度ものを言うこと。ふたこと。「一言、—」 2 前に言ったことと違うことを言うこと。「武士に—はない」
にし‐おもて【西面】
1 西の方面。「—に見えし山なり」〈更級〉 2 宮中や寝殿造の建物で、西に向いた廂(ひさし)の間。「この—にぞ人のけはひする」〈源・帚木〉 3 ⇒西面(さいめん)の武士
に‐じ【二字】
1 文字ふたつ。ふたつの文字。 2 《人名はふつう漢字2字であることから》実名。名乗り。「—を僧正に奉りて命いけにけり」〈十訓抄・四〉 3 《武士は実名を名乗るところから》武士の身分。「—を蒙っ...
にちょう‐の‐ゆみ【二張の弓】
ふたはりの弓。武士が二心を抱くことや、節操をまげることのたとえ。「女の操を守って、—を引くまじとは」〈浄・女護島〉
に‐ほん【二本】
1 1本の2倍。 2 刀と脇差。大小の刀。転じて、武士。
にほん‐ざし【二本差(し)】
1 《腰に刀と脇差を差すところから》武士のこと。 2 《2本の串(くし)をさすところから》焼き豆腐、または田楽豆腐のこと。 3 相撲で、もろざしのこと。
にほん‐ぼう【二本棒】
1 子供が左右の鼻の穴からたらしている鼻汁。 2 間の抜けた人、また、甘い男をあざけっていう語。「己はお前の考えてるような—じゃないよ」〈漱石・明暗〉 3 編み物に用いる、二本で一組みになった編...
にらやま‐がさ【韮山笠】
《幕末、伊豆韮山の代官江川太郎左衛門が考案したことから》こよりを編んで黒漆を塗った、平たい円錐形の笠。砲術訓練の武士が用いた。藪潜(やぶくぐり)。