わ‐ぎみ【我君/和君/吾君】
[代]二人称の人代名詞。親しみの気持ちを込めて呼びかける語。お前様。あなた。「—は何者ぞ、名のれ聞かう」〈平家・七〉
わぎも【吾妹】
《「わがいも」の音変化》男性が妻や恋人を、また一般に、女性を親しみの気持ちを込めて呼ぶ語。わぎもこ。「山川を中に隔(へな)りて遠くとも心を近く思ほせ—」〈万・三七六四〉
わざくれ‐ごころ【わざくれ心】
すてばちな気持ち。「はかどらぬ算用捨てて、—になりて」〈浮・永代蔵・四〉
わずらわし・い【煩わしい】
[形][文]わづらは・し[シク]《動詞「煩う」の形容詞化》 1 心を悩ましてうるさい。面倒で、できれば避けたい気持ちである。「近所付き合いが—・い」「雨の日は出掛けるのが—・い」 2 こみ入って...
わ‐せんじょう【我先生/和先生】
[代]二人称の人代名詞。親しみの気持ちを込めて、または軽んじる気持ちで、相手を呼ぶ語。「—はいかでこの鮭を盗むぞ」〈宇治拾遺・一〉
わ‐そう【我僧/和僧】
[代]二人称の人代名詞。僧を親しみの気持ちを込めて、または軽んじる気持ちで呼ぶ語。「—は何人ぞ」〈宇治拾遺・一三〉
わ‐とう【我党/和党】
[代]二人称の人代名詞。複数の相手に向かって親愛の気持ち、または軽んじる気持ちをこめて用いる語。おまえたち。「やや、—連歌だにつかぬとつきたるぞかし」〈宇治拾遺・一四〉
わ‐どの【我殿/和殿】
[代]《「わとの」とも》二人称の人代名詞。対等以下の相手に向かって親愛の気持ちをこめて用いる語。そなた。「我は千鳥といふ女、—に請けたる恩はなし」〈浄・女護島〉
わ‐にゅうどう【我入道/和入道】
[代]二人称の人代名詞。出家した人に向かって、親愛の気持ち、または軽んじる気持ちをこめて用いる語。「—殿も忠盛の嫡子といひしかども」〈長門本平家・二〉
わ‐にょうぼう【我女房/和女房】
[代]二人称の人代名詞。女性に向かって親愛の気持ちをこめて用いる語。「まことにや、—の歎きをとぶらはぬと恨み給ふなるは」〈沙石集・三〉