すぞろ‐わ・し【漫ろはし】
[形シク]「すずろわし」に同じ。「是につけても—・しくおぼされて、聞き過ぐさせ給ふ」〈栄花・浦々の別〉
そぞろ【漫ろ】
[形動][文][ナリ]《「すずろ」と同語源》 1 これといった理由もなしにそうなったり、そうしたりするさま。なんとなく。「—に寂しさを覚える」 2 心が落ち着かないさま。そわそわするさま。「結...
そぞろ‐あめ【漫ろ雨】
小降りだが、いつまでもやまずに降る雨。「あやめ刈る鵺(ぬえ)のうき巣や—/樵花」〈虚栗〉
そぞろ‐あるき【漫ろ歩き】
[名](スル)当てもなく、気の向くままにぶらぶら歩き回ること。すずろありき。すずろあるき。「夕暮れの浜辺を—する」
そぞろ‐うた【漫ろ歌】
とりとめもない歌。「—うたうて、閑々(しづしづ)と向ふの尾へ渡れば」〈太平記・一七〉
そぞろ‐えみ【漫ろ笑み】
なんとなくほほえむこと。また、そのほほえみ。「—を洩せる顔色は」〈紅葉・金色夜叉〉
そぞろ‐がま・し【漫ろがまし】
[形シク]いかにも落ち着かない。すずろがまし。「山里の外面(そとも)の岡の高き木に—・しき秋蝉(あきぜみ)の声」〈山家集・上〉
そぞろ‐がみ【漫ろ神】
人の心に取りついてなんとなく誘惑する神。すずろがみ。「—の、物につきて心を狂はせ」〈奥の細道〉
そぞろ・く【漫ろく】
[動カ四]心に落ち着きがなくなる。そわそわする。すずろく。「兵杖(ひゃうぢゃう)を帯したる者どもも皆—・いてぞ見えける」〈平家・二〉
そぞろ‐ごころ【漫ろ心】
そわそわと落ち着かない心。浮ついた心。すずろごころ。