しい【癈】
からだの器官が働きを失うこと。また、その人。「松反(まつがへ)り—にてあれかもさ山田の翁(をぢ)がその日に求めあはずけむ」〈万・四〇一四〉
し・いる【癈いる】
[動ア上一][文]し・ふ[ハ上二]からだの器官の感覚や機能を失う。「その又i(いい)という音が耳の—・いるほど鋭く響く」〈二葉亭・奇遇〉
し・う【癈ふ】
[動ハ四]「し(癈)いる」に同じ。「松反(がへ)り—・ひてあれやは三栗の中上り来ぬ麻呂といふ奴」〈万・一七八三〉 [動ハ上二]「し(癈)いる」の文語形。
はい【癈】
[音]ハイ(漢) からだがだめになる。不治の病。「癈疾・癈人・癈兵」
はい‐しつ【廃疾/癈疾】
1 身体障害を伴う回復不能の病。 2 律令制で規定された身体障害・疾病者。残疾より重く、篤疾より軽いもの。癡(ち)・瘂(あ)など。租のほかは免除された。
はい‐じん【廃人/癈人】
傷害・疾病などのため、通常の生活を営むことができない人。
はい‐へい【廃兵/癈兵】
戦争で負傷して身体障害者となり、再び戦闘に従事できなくなった兵。