あいのこ‐ぶね【間の子船】
日本式と西洋式とをとりまぜてつくった木造帆船。明治後半から大正期にかけて沿岸航路用の荷船として使われた。
あかし‐ぶね【明石船】
近世、大坂・明石間を往来していた小型の乗合帆船。
あか‐ふね【赤船】
江戸後期、蝦夷(えぞ)の産物を江戸・大坂に運んだ、幕府直営の運送船。船体を赤く塗っていた。
あから‐おぶね【赤ら小舟】
赤く塗った舟。「沖行くや—につと遣(や)らばけだし人見て開き見むかも」〈万・三八六八〉
あさづま‐ぶね【朝妻船】
1 朝妻と大津を往来した渡し船。古代から江戸初めまで、東国からの旅客が利用した。遊女が乗って旅人を慰めることもあった。 2 英一蝶(はなぶさいっちょう)の描いた、遊女が烏帽子(えぼし)・水干(す...
あし‐ぶね【葦舟】
1 葦や藺草(いぐさ)などを束ねてつくった小さい舟。最も原始的な舟で、古代のエジプト・インド・中国などで用いられた。日本でも古事記に水蛭子(ひるこ)をこの舟に乗せて流した話がある。ペルーとボリビ...
あしわけ‐おぶね【葦分け小舟】
葦の中をこぎ分けて進む小舟。多く、物事に差し障りの多いことをたとえていう。「湊入りの—障り多みいま来む吾をよどむと思ふな」〈万・二九九八〉
あたけ‐ぶね【安宅船/阿武船】
戦国時代から江戸初期にかけて建造された大型軍船。紀伊の安宅氏の創始とされ、大砲を備えたものもあった。あたけ。
あと‐ぶね【後船】
1 後から入港する船。 2 江戸時代の劇場で、2階正面の桟敷(さじき)の後方の席。
あま‐おぶね【海人小舟/蜑小舟】
[名] 1 海人の乗る小舟。「白波の八重折るがうへに—はららに浮きて」〈万・四三六〇〉 2 アマオブネガイの別名。 [枕]船が停泊することを「泊(は)つ」というところから、「はつ」にかかる。...