もち‐ふね【餅舟】
《「もちぶね」とも》出産祝いに父方から送る餅。「大儀なれど、百の—は阿爺(とと)がするぞ」〈浮・一代男・一〉
もと‐ぶね【本船】
1 付属の小船に対して、それを従えている大船。親船。ほんせん。 2 沖に停泊して、はしけで陸上と連絡する大船。
もどり‐ぶね【戻り船/戻り舟】
荷物や客を運んだあとの、帰りの船。帰り船。
ものみ‐ぶね【物見船】
見物のために乗る船。
ももさか‐の‐ふね【百積の船/百石の船】
《「さか」は容量の単位》百石の荷物を積むことができる大きい船。「—隠り入る八占(やうら)さし母は問ふともその名は告(の)らじ」〈万・二四〇七〉
もも‐ふね【百船】
《「ももぶね」とも》たくさんの船。「—の泊(は)つる泊まりと」〈万・一〇六五〉
もやい‐ぶね【舫い船】
他の船あるいは杭(くい)などにつなぎとめた船。停泊している船。
もより‐ぶね【最寄り船】
岸の近くに停泊している船。
もろこし‐ぶね【唐土船】
1 中国の船。からぶね。「思ほえず袖にみなとのさわぐかな—の寄りしばかりに」〈伊勢・二六〉 2 中国へ使いする船。また、中国との貿易船。「—出だし立てらる」〈宇津保・俊蔭〉
もろた‐ぶね【諸手船】
1 多くの櫓(ろ)のついた早船。また、2挺櫓の早船。 2 島根県松江市にある美保神社の諸手船神事に用いるくり舟。《季 冬》