い‐た・つ【居立つ】
[動タ四]立ったり座ったりする。じっとしていられないようす、また熱心に世話をするようすにいう。「太政大臣(おほきおとど)—・ちて、厳(いかめ)しく細かに物の清ら儀式をつくし」〈源・若菜〉
いちざ‐いっく【一座一句】
連歌・連句の一巻の中で、一句にしか出してはならない言葉。時代と流派で異なるが、若菜(わかな)・つつじ・虎・狼・鬼・女など。一句物(いっくもの)。
いもい【斎/忌】
1 精進潔斎。物忌み。「御正日(おしゃうにち)には、上下の人々、皆—して」〈源・幻〉 2 精進料理。「—の御鉢まゐるべきを」〈源・若菜下〉
いろ・う【色ふ/彩ふ/艶ふ】
[動ハ四] 1 美しいいろどりをしている。映える。「いかばかり思ひおくとも見えざりし露に—・へる撫子(なでしこ)の花」〈和泉式部集・下〉 2 色が美しく交じる。「かざしの花の色々は秋の草に異な...
いわ・く【稚く】
[動カ下二]子供じみている。幼稚な振る舞いをする。「—・けたる遊び戯れに心入れたるわらはべの有様など」〈源・若菜上〉 [補説]歴史的仮名遣いは「いわく」か「いはく」か未詳。
ういうい‐し・い【初初しい】
[形][文]うひうひ・し[シク] 1 物慣れないで幼い感じがする。世間慣れしていないで、若々しく新鮮にみえる。「—・い新入生」「—・い新妻」 2 はじめてなので、気持ちが落ち着かない。きまりが悪...
うけ‐ば・る【受け張る】
[動ラ四] 1 他人に遠慮せずに行動する。おおっぴらに振る舞う。「(藤壺ハ)人もえおとしめ聞こえ給はねば、—・りてあかぬことなし」〈源・桐壺〉 2 我が物顔に振る舞う。でしゃばる。「柳の葉を百(...
うち‐あわ・せる【打(ち)合(わ)せる】
[動サ下一][文]うちあは・す[サ下二] 1 物と物とをぶつけ合わせる。「グラスを—・せて乾杯する」 2 方法・準備・日取りなどについて、前もって相談する。「会の進行について—・せる」 3 楽器...
うち‐しぐ・る【打ち時雨る】
[動ラ下二] 1 さっと時雨が降る。「今日ぞ冬立つ日なりけるも著(しる)く—・れて、空の気色いとあはれなり」〈源・夕顔〉 2 涙を流す。涙ぐむ。「まみの辺り—・れて、ひそみ居たり」〈源・若菜上〉
うち‐そ・う【打ち添ふ】
[動ハ四]付き添う。加わる。「おぼつかなく悲しきことの、—・ひて絶えぬを」〈源・若菜上〉 [動ハ下二]つけ加える。「幸ひに—・へて、なほあやしうめでたかりける人なりや」〈源・少女〉