ヒトーパデーシャ【(梵)Hitopadeśa】
《有益な教訓の意》古代インドの説話集「パンチャタントラ」の異本の一。10世紀ごろ、ナーラーヤナ編。原本の5編を4編に改編し、独自の説話も追加されている。
開(ひら)け胡麻(ごま)
アラビアの説話「アリババと四十人の盗賊」で、盗賊団の宝をかくした洞窟(どうくつ)の扉(とびら)を開ける呪文(じゅもん)。
ぶっきょう‐せつわ【仏教説話】
説話の分類の一。仏・菩薩(ぼさつ)の奇跡、高僧の逸話、世俗における因果応報の理などを記したもの。日本霊異記(にほんりょういき)・今昔物語集・発心集・沙石集(しゃせきしゅう)などにみられる。
へいけにょごのしま【平家女護島】
浄瑠璃。時代物。五段。近松門左衛門作。享保4年(1719)大坂竹本座初演。平家物語の諸説話に取材。謡曲「俊寛」に基づいた二段目の「鬼界ヶ島」の段が有名。
へいちゅうものがたり【平中物語/平仲物語】
平安中期の歌物語。作者未詳。天徳3〜康保2年(959〜965)ごろまでの成立とされる。平中とよばれた平貞文を主人公とした、恋愛説話38段からなる。平中日記。貞文日記。
へん‐そう【変相】
1 姿・顔かたちが変わること。また、その変わったようす。 2 極楽や地獄のありさま、また仏教説話などを絵解き風に描いた仏画。浄土変相・地獄変など。変相図。 3 電流の相の数を変えること。
べにざら‐かけざら【紅皿欠皿】
継子(ままこ)話の一。継子で美しい娘欠皿を、継母とその実子の醜い紅皿がいじめるが、結局、欠皿は高貴な人と結婚して幸福になる。「鉢かずき」「シンデレラ」など、同系統の説話が世界各地に分布。→糠福米...
ほうぶつしゅう【宝物集】
平安末期の仏教説話集。1巻・2巻・3巻・7巻の諸本が伝わる。平康頼著。治承年間(1177〜1181)ごろ成立。嵯峨の釈迦堂での会話の聞き書きの形式をとり、多くの説話を例に引きながら仏法を説いたもの。
ほっしんしゅう【発心集】
鎌倉時代の仏教説話集。3巻または8巻。鴨長明著。建保4年(1216)以前の成立とされるが未詳。発心譚・遁世譚・往生譚・霊験談などを集めたもの。
ほんしょう‐きょう【本生経】
《(梵)jātakaの訳》釈迦(しゃか)が前世で修めた菩薩行(ぼさつぎょう)を集めた説話。十二分経の一。本生譚。ジャータカ。