おうみ【近江/淡海】
《「あわうみ(淡海)」の音変化。淡水湖の琵琶湖があるところから》旧国名の一。現在の滋賀県にあたる。江州(ごうしゅう)。「近江」の文字は浜名湖のある遠江(遠つ淡海)に対して近江(近つ淡海)と称したもの。
おうみ‐あきんど【近江商人】
「おうみしょうにん」に同じ。
おうみ‐おんな【近江女】
能面の一。若い女性の美しさを表現しているが、やや俗っぽいあでやかさのある女面。
おうみ‐ぎゅう【近江牛】
滋賀県内で飼育された黒毛和牛で、一定の基準に適合したもの。銘柄牛の一。松阪牛などと並んで日本三大和牛に数えられる。おうみうし。
おうみ‐げんじ【近江源氏】
宇多源氏の流れで、近江蒲生郡佐々木荘に本拠を置いた源成頼の子孫。近江の守護として勢力があり、京極氏・六角氏・朽木氏などに分かれた。
おうみげんじせんじんやかた【近江源氏先陣館】
浄瑠璃。時代物。九段。近松半二らの合作。明和6年(1769)大坂竹本座初演。大坂冬の陣を鎌倉時代に移し変えたもので、「盛綱陣屋」のくだりが有名。
おうみ‐さるがく【近江猿楽】
中世、近江の日吉(ひえ)神社・多賀神社に属した猿楽団体。みまじ・山階・日吉などの諸座があったが、室町末期には大和四座に押されて衰退した。
おうみ‐しょうにん【近江商人】
近江出身の商人。商売がうまく、江戸初期以来、伊勢出身の商人とともに成功者を多く出した。江商(ごうしょう)。おうみあきんど。
おうみ‐じんぐう【近江神宮】
大津市神宮町にある神社。旧官幣大社。祭神は天智天皇。昭和15年(1940)鎮座。
近江(おうみ)泥棒(どろぼう)伊勢(いせ)乞食(こじき)
近江の人は商才にたけ、伊勢出身の人は勤倹に努めて、ともに商人として成功した者が多かったところから、宵越しの金は使わないと自負する江戸っ子が負け惜しみに言った言葉。