むへん‐せかい【無辺世界】
1 仏語。無限の世界。虚空のこと。また、限りなく多く存在する仏の世界をいう。 2 あてのない方向。とんでもない方向。「的のあたりにだに近く寄らず、—を射給へるに」〈大鏡・道長上〉
もうし‐ぶみ【申文】
1 下位の者から上位の者へ、願い事などを書いて差し出す文書。中世には多く申し状とよばれた。奏文。「入道殿下の御前に、—をたてまつるべきなり」〈大鏡・道長上〉 2 特に平安時代以後、官人が、叙任や...
もどろ・く【斑く】
[動カ四] 1 まだらになる。入り乱れる。まぎれる。「あまりなることは目も—・く心地なむし給ひける」〈大鏡・道長上〉 2 船などがもたもたして進まなくなる。「もろこしの玉積む舟の—・けば思ひ定...
もの‐おぼ・ゆ【物覚ゆ】
[動ヤ下二] 1 意識がしっかりしている。正気である。「—・えずなりて、またいみじう泣かるれば」〈かげろふ・上〉 2 物心がつく。「—・えてのち、さることをこそまだ見侍らね」〈大鏡・道長上〉
やく‐な・い【益無い】
[形][文]やくな・し[ク] 1 かいがない。無益である。つまらない。「後に遺して面倒こそあれ—・いこと」〈露伴・五重塔〉 2 困ったことである。「御気色かはりて、—・しとおぼしたるに」〈大鏡・...
やわら
[副]静かに。そっと。徐々に。やおら。「—たち退かせ給ひにけり」〈大鏡・道長上〉
りく‐ゆ【六諭】
中国、明の太祖(朱元璋)が1397年、民衆教化のために発布した教訓。「父母に孝順にせよ、長上を尊敬せよ、郷里に和睦せよ、子孫を教訓せよ、各々生理に安んぜよ、非為をなすなかれ」の六言。