あい‐の‐むち【愛の鞭】
愛するがゆえに厳しく𠮟りつけること。その人のためを思ってする𠮟責。
飴(あめ)と鞭(むち)
支配や指導の方法で、甘い扱いをして譲歩する一方で厳しく締めつけることのたとえ。社会保険制度で労働者を優遇するとともに社会主義者鎮圧法を制定して支配した、ドイツのビスマルクの政策を評した言葉。
きょう‐べん【教鞭】
教師が授業に使うむち。
しつ‐べん【執鞭】
1 むちをとること。 2 むちで馬をあつかうこと。また、その人。御者。
すて‐むち【捨て鞭】
馬に乗って走るときに、速く駆けさせるために馬の尻を鞭打つこと。「東の河原をまっ下りに、—をうってぞ逃げける」〈保元・中〉
せん‐べん【先鞭】
《「晋書」劉琨伝の「常に恐る祖生の吾(わ)れに先んじて鞭(むち)を著(つ)くるを」から》他に先んじて着手すること。「現地法人設立の—を着ける」
ねり‐むち【練り鞭】
枝葉を払い、皮をむき、加工して作ったむち。「熊葛(くまつづら)の—二十段」〈霊異記・中〉
ぶち【鞭】
「むち」に同じ。「下女、—もて打たんとす」〈沙石集・七〉
べん【鞭】
[人名用漢字] [音]ベン(慣) [訓]むち むちうつ 1 むち。「鞭声/教鞭」 2 むちうつ。「鞭撻(べんたつ)/先鞭」 3 むち状のもの。「鞭虫・鞭毛」
ほ‐べん【蒲鞭】
ガマの穂のむち。中国漢代の甲陽の太子劉寛が罪人を打つのに用い、辱めを与えるだけで痛くなかったところから、寛大な政治をいう。