言(こと)絶(た)・ゆ
1 (ふつう「ことたえて」の形で副詞的に用いる)言語に絶する。「生ける代に我はいまだ見ず—・えてかくおもしろく縫へる袋は」〈万・七四六〉 2 言葉を交わし合うことがなくなる。交際が絶える。「—・...
こと‐た・りる【事足りる】
[動ラ上一]《「ことたる」(四段)の上一段化》十分である。用が足りる。間に合う。「さしあたりこれだけあれば—・りる」
こと‐た・る【事足る】
[動ラ四]「事足りる」に同じ。「時世にうつろひて、おぼえ衰へぬれば、心は心として—・らず」〈源・帚木〉
こと‐だ・つ【事立つ】
[動タ四]いつもとは違ったことをする。改まったことをする。「正月(むつき)なれば—・つ、とて大御酒(おほみき)たまひけり」〈伊勢・八五〉
こと‐だ・つ【言立つ】
[動タ下二] 1 口に出して言う。言葉に出して誓う。「祖(おや)の職(つかさ)と—・てて授け給へる」〈万・四四六五〉 2 普通とは違ったことを言う。「—・てば、足もあがかにねたみ給ひき」〈記・下〉
こと‐だて【言立て】
口に出して言うこと。揚言。誓言。「人の祖(おや)の立つる—人の子は祖の名絶たず」〈万・四〇九四〉
こと‐だま【言霊】
古代日本で、言葉に宿っていると信じられていた不思議な力。発した言葉どおりの結果を現す力があるとされた。
ことだま‐の‐さきわうくに【言霊の幸ふ国】
言葉の霊力が幸福をもたらす国。日本のこと。→言霊「—と語りつぎ言ひつがひけり」〈万・八九四〉
ことだまのしるべ【言霊指南】
江戸末期の文法書。2編3冊。黒沢翁満著。嘉永5〜安政3年(1852〜56)刊。活用・てにをは・係り結び・仮名遣いなどについて記す。
言(こと)告(つ)・ぐ
言葉を伝える。人を介して言い知らせる。「故郷(ふるさと)のならしの岡のほととぎす—・げやりしいかに告げきや」〈万・一五〇六〉