さくらのその【桜の園】
《原題、(ロシア)Vishnovïy sad》チェーホフの戯曲。4幕。1903年作、翌年初演。新興商人に桜の咲く荘園を売り渡す貴族ラネーフスカヤ家の没落を通して、新旧の社会勢力の交替を叙情的に描く。
さくらのはな【さくらの花】
網野菊による小説。妹の病死を主題とする。昭和36年(1961)刊行。同年、第12回芸術選奨文部大臣賞を受賞。昭和37年(1962)、第1回女流文学賞を受賞。
さくら‐のり【桜海苔】
紅藻類のオキツノリの別名。また、オキツノリなど桜色をしているノリ。《季 春》「水の江や吉野見に行く—/西鶴」
さくら‐ばい【佐倉灰/桜灰】
佐倉炭の灰。客用のタバコ盆に入れる。
さくら‐ばな【桜花】
[名]桜の花。おうか。 [枕]桜の花のように美しく栄える意から、「栄え少女(をとめ)」にかかる。「つつじ花にほへ娘子(をとめ)—栄え娘子」〈万・三三〇九〉
さくらひめあずまぶんしょう【桜姫東文章】
歌舞伎狂言。時代世話物。7幕。4世鶴屋南北作。文化14年(1817)江戸河原崎座初演。吉田家のお家騒動の話に、清玄・桜姫の話をからませて脚色したもの。→清玄桜姫
さくらひめぜんでんあけぼのぞうし【桜姫全伝曙草紙】
読本。5巻。山東京伝作、歌川豊国画。文化2年(1805)刊。清玄桜姫の伝説に、丹波国桑田の鷲尾家のお家騒動に絡む復讐(ふくしゅう)談を加えた伝奇小説。
さくら‐びと【桜人】
桜をめでる人。花人。《季 春》
さくら‐ふぶき【桜吹雪】
桜の花びらが風に乱れ散るようすを吹雪にたとえていう語。花吹雪。《季 春》 [補説]作品名別項。→さくら吹雪
さくらふぶき【さくら吹雪】
歌舞伎作品の一。長谷川時雨の脚本による史劇。明治44年(1911)、6世尾上菊五郎らが出演して歌舞伎座で初演。脚本の雑誌発表時の題名は「操」。