暗(くら)がりから牛(うし)を引(ひ)き出(だ)す
《暗い所に黒い牛がいると何が何やらはっきりしないところから》物の区別がつかないたとえ。また、動作が鈍重で、はきはきしないたとえ。暗闇から牛を引き出す。
犬(いぬ)も食(く)わぬ
食えるものなら何でも食うはずの犬さえも食わない。ひどく嫌われることのたとえ。また、ばかばかしくて相手にする気になれないことのたとえ。「夫婦げんかは—」
命(いのち)は風前(ふうぜん)の灯(ともしび)の如(ごと)し
《「法苑珠林」の「命は風中の灯の如し」から》危険が身に迫っていることのたとえ。また、人生のはかないことのたとえ。
犬(いぬ)も歩(ある)けば棒(ぼう)に当(あ)たる
1 何かをしようとすれば、何かと災難に遭うことも多いというたとえ。 2 出歩けば思わぬ幸運に出会うことのたとえ。
いろは‐たんか【伊呂波短歌】
いろは47文字と、「京」の字をそれぞれ語頭に置いた、子供の教訓用のたとえ歌。「犬も歩けば棒にあたる」「論より証拠」など。いろはうた。いろはたとえ。
石(いし)に漱(くちすす)ぎ流(なが)れに枕(まくら)す
負け惜しみの強いことのたとえ。また、屁(へ)理屈をつけて言い逃れることのたとえ。晋(しん)の孫楚(そんそ)が「石に枕し流れに漱ぐ」というべきところを「石に漱ぎ流れに枕す」と誤り、「石に漱ぐ」とは...
煎(い)り豆(まめ)に花(はな)が咲(さ)く
衰えていたものが、再び勢いを盛り返すことのたとえ。また、あるはずのないことが実現することのたとえ。煎り豆が生える。
牛(うし)は牛連(うしづ)れ馬(うま)は馬連(うまづ)れ
同類は自然と集まりやすいことのたとえ。また、似た者どうしが集まると、調和がとれてうまくいくことのたとえ。
お‐がせ【麻桛/苧桛/纑】
1 紡いだ麻糸を枠にかけて巻き取ったもの。また、その枠。 2 乱れもつれるさまのたとえ。「恋に心をひねり麻(そ)の—乱いた胸のうち」〈浄・丹波与作〉 3 自由を束縛するもののたとえ。「ああ、子は...
追風(おいて)に帆(ほ)を上(あ)・げる
勢いに乗じて、思うままに力を発揮することのたとえ。また、物事が順調に進行することのたとえ。